酒造りの神事が始まる季節 ~「祈る酒造り」を私たちはどう見るのか

秋が近づくと、日本酒の世界では少しずつ「造り」の季節へ向かっていきます。蔵によって時期は異なりますが、9月から10月にかけて杜氏や蔵人が集まり、仕込みの準備が進められます。そして、その前後に行われるのが醸造安全祈願祭です。

酒造りには、大神神社、松尾大社、梅宮大社など、古くから酒造関係者の信仰を集めてきた神社があります。現代でも、新酒の仕込みを前に醸造の安全を祈願する習慣が残っています。しかし、こうした光景を一般の人がどのように見るかは、以前とは少し変わってきたのではないでしょうか。

かつての酒造りは、今よりはるかに自然条件に左右される仕事でした。米、気温、水、微生物。そして、蔵人の経験と勘。どれだけ注意しても、人間の力だけでは完全に制御できない部分がありました。だからこそ、酒造りの始まりには祈りが必要だったのでしょう。「今年も良い酒ができますように」「事故がありませんように」という願いは、単なる迷信ではありません。自分たちの力だけではどうにもならないものが存在することを知っていたからこそ、人は神に祈ったのだと思います。

ところが、近代以降、酒造りは大きく変わりました。温度管理、分析技術、衛生管理、酵母の選択など、科学によって酒造りを安定させる手段が増えました。そうなると、「科学で管理できるのに、なぜ神様に祈るのか」という見方も生まれます。実際、現代の酒造りは高度に管理されています。それでも、醸造安全祈願祭はなくなっていません。国税庁が紹介した東京都酒造組合の例でも、酒造りの最盛期を前に、酒造関係者が神社に集まり、安全に良質な酒が造れるよう祈願しています。ここに、神事の意味が変化してきた理由があるように思います。

昔は「人間の力では制御できないものへの祈り」という意味が大きかったのかもしれません。しかし現在では、それだけではありません。神事は、酒造りを始める人々が気持ちを一つにするための「区切り」としての意味を持っています。

酒造りは、一人の杜氏だけで完成するものではありません。米を扱う人、麹をつくる人、醪を管理する人、瓶詰めや出荷に携わる人など、多くの人間が関わります。その人々が同じ場所で安全を願い、「これから造りが始まる」という意識を共有する。神事には、そのための力もあるのでしょう。

さらに最近では、こうした神事そのものを日本酒文化の一部として見る視線も強くなっています。酒の神様を訪ねることや、酒造りの歴史を知ることが、日本酒を飲むこととは別の文化体験になっているのです。出雲の佐香神社では、現在も酒造りに関わる神事が続いており、10月の秋季例祭では酒造りを祝う行事が行われています。つまり、神事は「古い習慣だから残っている」のではないのかもしれません。

科学が発達したからこそ、逆に人間がすべてを支配できるわけではないことも見えてきました。発酵という生き物の働きを利用する酒造りには、最後まで人間の思い通りにならない部分があります。だからこそ、仕込みの前に一度立ち止まり、酒造りに関わる人間自身の姿勢を整える——秋は、新しい酒が生まれる季節です。そして同時に、酒造りに携わる人々が「今年もこの仕事を始める」と確認する季節でもあります。

醸造安全祈願祭とは、神に酒造りを任せるための儀式ではなく、人間ができることを尽くしたうえで、それでも自分たちの力だけでは成り立たないものがあると認める儀式なのではないでしょうか。科学と神事は、必ずしも対立するものではありません。むしろ現代の酒造りでは、科学によって管理する部分と、人間が祈りや感謝によって受け継いできた部分が、同じ蔵の中に共存しています。

秋の酒造りが始まる前、神社に並ぶ杜氏や蔵元の姿を見るとき、私たちはそこに「昔ながらの風景」を見るだけではなく、人間と自然が向き合いながら酒を造ってきた、日本酒という文化そのものを見ることができるのかもしれません。

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2026年の日本酒は何を目指しているのか

東京国税局の酒類鑑評会が9月10日に開かれました。東京、神奈川、千葉、山梨の32製造場から日本酒や焼酎合わせて95点が出品され、香りや味、香味のバランスなどが審査されています。今年からは新たに「最優等賞」も設けられ、10月28日の表彰式で結果が発表されます。

このニュースで特に目を引くのが、東京国税局の鑑定官室長による「今年の日本酒は味わいがあり、飲みごたえがある」という評価です。では、この「味わいあり」とは、具体的に何を意味するのでしょうか。

単純に「濃い酒」ではない味わい

日本酒の「味わい」は、甘い、辛い、濃い、薄いといった一つの尺度だけで決まるものではありません。米から生まれる甘味やうま味、発酵によって生まれる酸味、香り、アルコール感などが重なり、それらが一つの酒としてまとまったときに感じられるものです。特に「飲みごたえがある」とう表現には、口に含んだときに味が広がり、飲み込んだ後にも余韻が残るような存在感が含まれます。

だから「味わいあり」とは、単純に味を強くしたということではありません。香りだけを突出させるのではなく、味とのバランスを取ることが重要になります。実際、今回の鑑評会でも「香りと味のバランスなど、わずかな差」を正確に評価するとされています。

暑さが日本酒の造りを変えてきた

今回の発言でもう一つ重要なのが、「近年、夏場の暑さが続く中ですっきりとした味わいの日本酒が続いていた」という部分です。

日本酒造りは気候の影響を受けます。特に酒造りの現場では、温度を適切に管理しながら発酵を進める必要があります。気温が高くなれば、それだけ管理の難しさも増します。その結果として、近年は軽快で、すっきりと飲める酒が目立ってきました。

ところが今年については、造り手が暑さへの対応を重ね、製造技術も向上したことで、単に「すっきりさせる」だけではなく、味の厚みを残した酒が造れるようになってきたというわけです。これは日本酒のトレンドを見るうえで、とても興味深い変化です。

「香り」から「味わい」へ戻るのか

これまでの日本酒では、華やかな香りを持つ吟醸系の酒が大きな存在感を持ってきました。果物を思わせる香りや、軽快で透明感のある味わいは、日本酒をこれまで飲まなかった人にも魅力として伝わりやすいものでした。しかし、日本酒が広く飲まれるようになるほど、「香りが華やか」という一つの価値だけでは差別化が難しくなります。そこで改めて重要になるのが、米のうま味、酸、甘味、苦味、余韻といった「味そのもの」です。

今回の「味わいあり」という評価は、その変化を象徴しているようにも見えます。もちろん、これによって「これからは濃い日本酒が主流になる」ということではありません。むしろ、軽快さを維持しながら、味わいをどこまで残せるかという、より高度な造りが求められているのではないでしょうか。

日本酒は「軽いか濃いか」ではなくなる

日本酒のトレンドは、時代によって大きく動いてきました。淡麗、辛口、吟醸香、低アルコール、甘口、酸味など、さまざまな価値が注目されてきました。しかし消費者の好みが多様化した現在、一つの方向だけが市場を支配するとは考えにくくなっています。だからこそ、これからの日本酒に求められるのは「軽い酒」か「濃い酒」かという二択ではなく、その酒にしかない味わいをどうつくるかなのだと思います。

暑さという厳しい環境への対応が、結果として日本酒の「味わい」をもう一度見直すきっかけになっているのだとすれば、これは気候変化による単なる苦労ではありません。造り手が環境に合わせて技術を変え、その技術によって新しい酒質が生まれる——今年の「味わいあり」という言葉は、日本酒がまた一つ次の段階へ進もうとしていることを示す言葉なのかもしれません。

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日本酒を「まとう」時代へ ~ NYファッションウィークから考える日本酒ファッションの可能性

日本酒を「飲むもの」ではなく、「まとうもの」として表現する。そんな新しい日本酒の発信が、ニューヨークで行われました。

山口県阿武町の阿武の鶴酒造は、2026年9月、ファッションデザイナーのKentaro Kameyama氏によるニューヨーク・ファッションウィークのショーに参加しました。六代目の三好隆太郎氏自身がランウェイに登場したほか、山口県からニューヨークまで持ち込んだ日本酒の四斗樽を、現地モデルが身にまとって披露しました。これは、日本酒そのものをファッションアイテムにしたというより、日本酒を象徴する「樽」や「蔵元」「土地」といった文化的な要素を、ファッションという別の表現に置き換えた試みです。

これまで日本酒の海外展開といえば、輸出した酒を現地で販売することや、和食との組み合わせを提案することが中心でした。しかし今回の取り組みは、その一歩先にあります。「日本酒を知ってください」ではなく、「日本酒から生まれる世界を感じてください」という発信なのです。

日本酒とファッションには共通点がある

一見すると、日本酒とファッションはまったく違う世界に見えます。しかし、両者には共通する部分があります。どちらも、単なる機能だけで価値が決まるものではありません。日本酒には、米、水、造り手、土地、歴史、器、食事、季節など、さまざまな物語があります。洋服にも素材、職人、デザイン、文化、時代背景、ブランドの思想があります。つまり、商品そのものだけではなく、「その商品が何を表現しているのか」が価値になります。

実際、国内でも、せんきんとユナイテッドアローズのコラボレーションなど、日本酒とファッションを組み合わせる試みは以前から行われています。また2025年には、日本酒レビューサイトSAKETIMEとアパレルブランドBYWEARが共同で「TIPSY HOUSE」を立ち上げ、日本酒とアパレルを組み合わせたライフスタイルを提案しました。今回の阿武の鶴酒造の取り組みは、こうした流れをさらに大胆にしたものと見ることができます。

国内でも「日本酒ファッション」は成立するのか

日本には、酒蔵の前掛け、法被、作務衣、酒袋など、日本酒と衣服が結びついた文化が昔から存在します。酒蔵のロゴが入った前掛けなどは、単なる仕事着ではなく、現在では日本酒を象徴するアイテムとしても認識されています。ここに現代的なデザインを加えれば、日本酒ファッションには大きな可能性があります。例えば、酒米の産地をデザインに取り入れた服、蔵の建築をモチーフにしたバッグ、ラベルを現代的に再構成したTシャツ、酒造りの道具をアクセサリーとして表現することも考えられます。

さらに、東京では「Rakuten Fashion Week TOKYO」が開催されており、東京は世界に向けて日本のクリエーションを発信する場の一つになっています。つまり、今回ニューヨークで行われたことは、必ずしも海外でなければできないことではありません。むしろ日本には、海外にはない「酒蔵」「前掛け」「米」「水」「祭り」「地域」といった豊富な素材があります。

日本酒の価値は「液体」だけではない

日本酒業界は、国内市場の縮小や酒蔵数の減少という課題を抱えています。一方で、海外では日本酒への関心が高まっています。JETROも、日本国内の酒蔵減少と海外需要の拡大を背景に、酒蔵と海外の酒ファンをつなぐ取り組みを進めています。だからこそ、これから重要になるのは「どれだけ日本酒を売るか」だけではないのではないでしょうか。

日本酒を飲まない人にも、日本酒を知ってもらう。その入口を食だけに限定せず、ファッション、音楽、アート、建築、デザインへ広げていく——そう考えると、日本酒は「液体の商品」から「文化を伝える媒体」へ変わることができます。阿武の鶴酒造がニューヨークのランウェイに持ち込んだ四斗樽は、その可能性を象徴しています。

日本酒を飲んだことのない人が、まずファッションを見て日本酒に興味を持つ。そして、その土地や酒蔵を知り、いつかその酒を飲んでみる——日本酒の未来は、酒瓶の中だけにあるのではありません。「日本酒をまとう」という発想は、日本酒をもっと自由な文化へ変えていく、新しい入口になるのではないでしょうか。

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酒蔵は都市に出てこられるか ~「haccoba 内神田醸造所」の可能性

東京・大手町に、少し変わった醸造所が誕生します。今月、福島県を拠点とするhaccobaが「haccoba 内神田醸造所」を大手町ゲートビルディング2階にプレオープンしました。面積は約72.6平方メートル。ここで造られるのは、日本酒の醸造技術をベースに、フルーツやハーブなども取り入れる「クラフトサケ」です。醸造所には、酒造りだけでなく、地域の農産物や食に関わる人たちとの共創を紹介するラボ・ショールームの機能も設けられます。

haccobaは福島県南相馬市小高区に2021年、浪江町に2023年から醸造所を構えてきました。つまり今回の東京進出は、地方から都市へ移るというより、地方の酒造りを都市につなぐ新しい拠点をつくるという意味合いが強いのです。

「酒蔵=地方」という常識を変える

これまで日本酒の醸造所といえば、米、水、気候、地域の歴史などと結びついた地方の風景を思い浮かべることが多かったでしょう。もちろん、その地域性はこれからも日本酒の重要な価値です。しかし、酒を造る場所まで必ず地方でなければならない、という時代ではなくなりつつあります。大手町に醸造所があれば、働く人、企業、飲食店、観光客など、これまで酒蔵を訪れる機会がなかった人が、酒造りそのものに触れられます。「酒を買ってもらう場所」ではなく、「酒が生まれる過程を見てもらう場所」になるわけです。これは日本酒にとって大きな意味があります。

日本酒は完成した商品だけを見れば、ほかのアルコール飲料との違いが分かりにくいことがあります。しかし、米や発酵、地域の食材、人の技術、歴史まで知れば、一杯の酒が持っている情報量は一気に増えます。都市型醸造所は、その「背景」を都市生活者に直接伝えることができます。

醸造所が「交流拠点」になる

今回さらに興味深いのは、haccoba 内神田醸造所が単独の酒蔵として存在するのではなく、三菱地所が運営する農と食の産業支援施設「MINORIWA」の中に入ることです。施設には交流スペースや厨房、イベントスペース、サービスオフィスなどが設けられ、農業や食に関わる人たちが集まる場になります。haccobaも地域の生産者と都市生活者をつなぐ「めぐるめくプロジェクト」と連携する予定です。

ここに都市型醸造所のもう一つの可能性があります。それは、酒蔵を「製造設備」から「人と地域を結ぶ装置」へ変えることです。福島の農家がつくったものを東京で紹介する。東京の料理人と地方の生産者が酒をきっかけにつながる。企業との共同開発が生まれる。消費者が造り手と直接話す——酒そのものだけではなく、酒を中心に人や情報が動き始めます。

「東京で造る」こと

都市に醸造所をつくると、地方の酒蔵が東京へ移転してしまうようにも見えます。しかし、今回のhaccobaの展開はむしろ逆です。小高、浪江という地域の拠点を残したまま、東京に新しい接点をつくります。つまり「地方か都市か」ではなく、地方と都市を行き来するための醸造所です。

これから日本酒業界では、この考え方が重要になるかもしれません。人口減少や飲酒人口の変化を考えれば、酒蔵の周辺だけで消費者を待つことには限界があります。一方で、都市には地方の酒や食に関心を持つ人が集まっています。ならば酒蔵のほうから都市へ出ていく——ただし、商品を運ぶだけではありません。人、文化、技術、地域の物語まで一緒に運ぶのです。都市型醸造所には、そんな役割が期待できます。

日本酒の未来は「酒蔵の場所」から変わる

大手町という日本を代表するビジネス街に、小さな醸造所ができる。一見すると意外な組み合わせですが、考えてみれば非常に現代的です。これからの酒蔵は、酒を造るだけの場所ではなく、地域と都市、農業と飲食、造り手と消費者を結ぶ場所になっていくのかもしれません。

もちろん、都市で醸造することには設備、物流、規模、法制度などさまざまな課題があります。すべての酒蔵が都市へ進出すればよいという話でもありません。それでも、大手町に生まれるこの小さな醸造所は、日本酒の未来を考える上で一つの実験になります。

酒蔵は地方にあるもの——そんな当たり前が変わったとき、日本酒そのものの楽しみ方も変わるのではないでしょうか。そしてその先には、「日本酒を飲む」だけではなく、「日本酒が生まれる場所に参加する」文化が広がっていく可能性があります。

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「脇役」から「料理を変える酒」へ ~ 調理用日本酒の歩みと可能性

月桂冠が「プレミアム純米料理清酒」を発表しました。国産米を100%使用した無塩タイプの料理清酒で、純米酒由来のうま味に加え、同社が研究してきた「デフェリフェリクリシン(Dfcy)」という成分の働きを生かしているのが特徴です。Dfcyには抗酸化作用があり、肉や魚の臭いを抑え、素材のうま味を引き出すことなどが期待されています。月桂冠は、この成分について2003年から研究を続けてきたとしています。

日本酒は「飲むだけのもの」ではなかった

料理に酒を使う歴史は古く、奈良時代には料理用だった可能性がある「厨酒」が登場し、平安時代の『延喜式』にも料理に使われた酒の記録があります。室町時代になると、煮物や焼物など幅広い料理に酒が使われるようになり、江戸時代の日本料理の発展にもつながっていきました。つまり、日本酒を料理に使うことは、最近始まった工夫ではありません。

酒には、食材の臭みを抑える、味を染み込ませる、肉や魚を柔らかくする、うま味や香りを加えるなど、さまざまな働きがあります。アルコールは水にも油にもなじみやすいため、食材の内部へ成分を運ぶ役割も果たします。

「飲む酒」と「料理に使う酒」の距離

料理用として販売される酒には、塩分を加えたものなどもあります。一方、現在では無塩タイプの商品も増えています。月桂冠自身も、国産米を100%使用した無塩の料理清酒を展開しており、酒そのものの発酵成分とアルコールの働きを料理に生かす考え方を打ち出しています。

ここには、料理酒に対する価値観の変化があります。「料理酒だから安い酒でいい」という考え方から、「料理をおいしくするためなら、酒そのものの品質にも意味がある」という考え方への変化です。今回の「プレミアム純米料理清酒」は、その流れをさらに一歩進めた商品といえるでしょう。

「酒を加える」から「酒で料理を設計する」へ

今回特に興味深いのは、Dfcyという、もともとは日本酒の変色に関係するため、減らす対象だった成分を、逆に料理の価値へ転換していることです。これは日本酒そのものの可能性を考えるうえでも重要です。

日本酒には、米、麹、酵母、発酵によって生まれるさまざまな成分があります。これまでは、それらを「飲んだときの味や香り」として評価してきました。しかし見方を変えれば、それらは食材に働きかける機能でもあります。そう考えると、料理酒は単なる「調味料」ではありません。肉には肉の、魚には魚の、野菜には野菜の良さがあります。それを別の味で覆い隠すのではなく、素材の持っているものを引き出す。そのための日本酒という考え方が、これから広がる可能性があります。

日本酒の新しい市場は「飲まない場所」にも

日本酒業界では、飲酒人口の変化や食生活の変化が課題となっています。しかし、日本酒を「飲む人」だけに届けようとすると、市場はどうしても限られます。料理に使う日本酒なら、飲酒習慣のない家庭にも入り込むことができます。さらに、家庭料理だけではありません。外食、中食、加工食品、冷凍食品など、日本酒を使える場所は数多くあります。

これからは「どんな日本酒が売れるか」だけではなく、「日本酒をどんな場面で使えるか」を考えることが重要になるでしょう。

今回の月桂冠の商品が示しているのは、料理酒の高級化だけではありません。日本酒は、飲むためのものから、食をつくるためのものへ——その可能性を掘り下げていけば、日本酒は「酒類」という枠を越えて、料理そのものを支える存在になれるのかもしれません。日本酒の未来は、酒器の中だけにあるとは限らないのです。

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八海醸造がMLBと描く新しい日本酒のかたち

八海醸造が9月14日から、「Hakkaisanを買って当てよう!MLB™応援キャンペーン」の応募受付を始めました。対象となる八海山の日本酒やあまさけを1,650円以上購入すると応募でき、抽選で100名に「八海山×MLB™オリジナル日本酒セラー」や、30球団のデザインを楽しめる「特別本醸造 八海山 MLB™ 30球団コレクションセット」などが当たります。

このニュースだけを見ると、MLBとのコラボレーションによる販売促進策に見えます。しかし、八海醸造の最近の動きを追ってみると、もっと大きな変化が見えてきます。

八海醸造は2025年からMLBとの日本国内でのオフィシャルスポンサー契約や、ロサンゼルス・ドジャースとのパートナーシップを進め、「八海山」を公式日本酒として展開してきました。2026年にはMLB30球団のロゴを使った180mlのアルミ缶を発売し、さらに「あまさけ」にもMLBのコレクションラベルを展開しています。つまり、これは日本酒を「酒好きのための商品」から、野球を見る時間に楽しむ商品へと置き換えていく試みでもあるのです。

さらに注目したいのが、八海醸造の事業領域です。2026年には「魚沼の里」限定の大吟醸を発売する一方、ライスウイスキーやジンなどにも取り組んでいます。グループではニセコ蒸溜所を展開し、「風媒花」が世界的なコンペティションで評価されるなど、日本酒以外の酒類にも積極的です。一方で、八海醸造自身は2025年の新体制発表で、「発酵と創造の力」を生かし、より多くの人に豊かな時間を提供する「発酵創造企業」を目指す考えを示しています。

ここには、日本酒メーカーの大きな発想転換があります。「何を造るか」だけではなく、「それを誰が、いつ、どんな時間に楽しむのか」まで商品として考えるようになっているのです。

この動きが日本酒業界に与えた影響は、単純な海外進出とは少し違います。従来、日本酒の海外展開では「日本文化の代表として日本酒を知ってもらう」という発想が中心でした。しかし八海醸造は、MLBという巨大なスポーツ文化の中に日本酒を置こうとしています。野球観戦、友人との時間、限定デザイン、コレクション、地域の食。そこに日本酒を組み込むことで、日本酒そのものに興味がなかった人にも接点をつくります。

しかも今回のキャンペーンでは、賞品の一つに魚沼産コシヒカリとご飯のお供のセットを用意しています。これは象徴的です。八海醸造が売ろうとしているのは、もはや一本の酒だけではありません。南魚沼という土地、その食、発酵文化、そしてそこで過ごす時間まで含めた価値なのです。

八海醸造の動きから見えてくるのは、日本酒業界の競争軸が変わりつつあるということです。もちろん、酒の味が重要であることは変わりません。しかし、これからは「どんな酒か」だけではなく、「どんな場面で思い出してもらえるか」が重要になります。

MLBを見ながら飲む八海山。魚沼を訪れて飲む八海山。料理と一緒に楽しむ八海山。あるいは、あまさけを日常の健康習慣として取り入れる——こうして日本酒が生活のさまざまな場面に入り込んでいけば、日本酒そのものの市場を広げる可能性があります。

八海醸造の挑戦は、酒蔵が酒を造って売るという従来の枠を越え、「日本酒がある時間」そのものをつくる方向へ進んでいるように見えます。今回のMLB応援キャンペーンは、その象徴的な一手なのではないでしょうか。

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「辛口」はどこまで進むのか ~ 日本盛「超辛口」から考える

日本盛が9月16日から「日本盛 超辛口」をリニューアル発売します。今回の最大の変更点は、日本酒度を従来の+8.0から+12.0へ引き上げたことです。日本盛は、よりシャープなキレ、きりっとした口当たり、すっきりしたのどごしを実現するために酒質を刷新したと説明しています。

しかし、ここで興味深いのは「なぜ、いま、さらに辛口なのか」という点です。日本盛によれば、今回の開発では単純に辛さだけを追求したわけではありません。辛さを強めすぎると味わいが薄くなってしまうため、酸味やアミノ酸などの旨味とのバランスを細かく調整し、「突き抜けた辛さ」と「旨さ」の両立を目指したとしています。つまり+8から+12への変更は、単なる数字競争ではなく、辛口でありながら飲み応えを失わない酒質を狙った変更と見ることができます。

そもそも日本酒度とは、酒の比重を基準にした数値で、一般的にはプラスになるほど「辛口」、マイナスになるほど「甘口」の目安として使われます。ただし、日本酒度だけで実際の味覚が決まるわけではありません。酸度やアミノ酸度、アルコール、香りなどによって、同じ日本酒度でも飲んだときの印象は大きく変わります。それでも「+10」「+12」「+15」といった数字が商品説明の中で目を引くのは、消費者にとって非常に分かりやすい指標だからでしょう。実際、現在でも日本名門酒会の商品には日本酒度+12~+13程度の「超辛口」が存在します。

一方で、最近の日本酒市場全体を見ると、「日本酒度の高い酒だけが求められている」と考えるのは少し違います。華やかな香り、甘味、酸味、低アルコール、発泡感など、従来の「甘い・辛い」という二軸では説明しにくい酒が増えています。日本酒度-10以下の甘口酒も珍しくなくなり、甘さを酸で引き締めることで、従来とは違う「飲みやすさ」を作る商品もあります。

だからこそ今回の「+12」は、単純な「昔ながらの辛口への回帰」と見るより、日本酒度という古くからある尺度を、現代の消費者に向けてもう一度分かりやすく提示する動きと捉えた方が面白いのではないでしょうか。

特に注目したいのは、今回の日本盛が「+12」という数字そのものをパッケージ上でも強く打ち出していることです。「超辛口」という言葉と数字を組み合わせることで、売り場で一瞬にして商品の個性を伝えようとしています。つまり、日本酒度は「味を正確に表現する数字」から、「商品を選ぶための記号」へと役割を変えつつあるのかもしれません。これは日本酒業界にとって重要な変化です。消費者が「+12だから辛い」と理解して購入し、実際に飲んで「思ったほど辛くない」「意外に旨味がある」と感じれば、そこから酸度やアミノ酸度、製法などへの関心も生まれます。

数字は味そのものではありません。しかし、数字が入口になることで、日本酒の奥深さに入っていくことはできます。「日本酒度+12」という今回の数字は、単に「もっと辛い酒を造りました」という意味ではありません。むしろ、甘口・辛口という分かりやすい入口を使いながら、その先にある「辛口とは何なのか」を問い直す商品なのではないでしょうか。

これからの日本酒では、「日本酒度が高い=おいしい」でも「低い=甘くて飲みやすい」でもありません。重要なのは、その数字をどのような酸味、旨味、香り、余韻と組み合わせるかです。日本酒度+12という一見シンプルな数字の裏側には、実は「数字だけでは味を語れない」という、現代の日本酒造りの難しさが隠れているのです。

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日本酒が長く続く理由

茨城県筑西市の来福酒造が、創業310年を迎えました。1716年、享保元年に創業した同蔵では、9月12日に蔵開きが開催され、酒蔵の一般開放や全商品の試飲、鏡開き、酒粕詰め放題などを通じて、310年の歴史を多くの人に伝えました。

310年という数字だけでも驚きますが、日本酒業界を見渡すと、さらに長い歴史を持つ酒蔵があります。茨城県笠間市の須藤本家です。同蔵は1141年、永治元年に酒造りを行っていた記録が残り、現在は55代目が蔵を継いでいます。一般に「日本最古の酒蔵」として知られる存在です。

来福酒造が310年。そして須藤本家は約900年です。これほど長い時間を、日本酒の酒蔵はどのように生き抜いてきたのでしょうか。

酒蔵は「地域」とともに続いてきた

日本酒の長寿企業を考えるとき、一つの大きな特徴があります。それは、酒蔵が単なる製造業ではなく、地域と深く結びついた存在だったことです。酒造りには米と水が必要です。そして、その米を作る人がいて、酒を売る人がいて、飲む人がいる。酒蔵は一つの商品を作っているだけではなく、地域の農業や商業、食文化とつながっています。

来福酒造も、地元を中心とした酒米の契約栽培に取り組み、自社で精米し、酵母の培養も行っています。さらに海外へも販路を広げています。つまり、長く続いた酒蔵には「昔から酒を造っている」というだけではなく、その土地で酒を造る意味を持ち続けてきたという共通点があります。

長寿とは「変わらないこと」ではない

須藤本家にも興味深い考え方があります。代々伝えられてきた家訓は、「酒・米・土・水・木」。良い酒を造るためには、その酒を取り巻く環境そのものを守らなければならないという考え方です。敷地内の木を切らないという教えも受け継がれています。

一方で、長寿企業だからといって、すべてを昔のままにしているわけではありません。来福酒造は、伝統的な技術を受け継ぎながら、花酵母を使った酒造りや、ワイン製造への挑戦、海外展開などにも取り組んできました。2006年には、それまでの杜氏による酒造りから社員による製造へと移行しています。ここに、日本酒の長寿企業が生き残ってきた理由があるように思います。

守るものは守る。しかし、方法まで守る必要はない。時代が変われば、人も、消費者も、流通も変わります。それでも「何を大切にするのか」という部分を失わなければ、方法を変えることは伝統を壊すことではありません。

次の100年に必要なのは「続ける理由」

これから日本酒の酒蔵が存続していくためには、単に古い歴史を誇るだけでは足りないでしょう。
「なぜ、この土地で酒を造るのか」
「なぜ、この酒を飲んでもらいたいのか」
「次の世代に何を残したいのか」
こうした問いに答えられることが重要です。

歴史は、それだけでは商品にはなりません。しかし、長い歴史の中で積み重ねてきた信用は、他の商品には簡単に真似できない価値になります。だからこそ、酒蔵が守るべきなのは「昔の形」ではなく、これまで積み重ねてきた信用と、酒を造る意味なのではないでしょうか。

来福酒造の310年と、須藤本家の約900年。二つの酒蔵が教えてくれるのは、長く続く企業とは「変わらない企業」ではないということです。時代が変わるたびに、自分たちが何者なのかを問い直し、それでも残すべきものを次の世代へ渡してきた企業なのです。

日本酒の酒蔵にとって、これからの100年は決して過去の延長線上にあるわけではありません。飲み方も、消費者も、酒造りを支える環境も変わっていきます。それでも、その変化の中で「この酒蔵がある意味」を失わなければ、酒蔵はまた次の時代へ進むことができるでしょう。310年という歴史は、終着点ではありません。次の100年を始めるための、現在地なのです。

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VTuberコラボ日本酒問題から考える日本酒ブランドのこれから

造り手が知らないコラボ日本酒

日本酒とVTuberを組み合わせたコラボ商品をめぐり、酒蔵の許諾を得ていなかったことが明らかになり、企画が中止されました。

問題となったのは、8月に開催された「神田明神納涼祭り」に関連して企画された商品です。18組、計20人のVTuberの限定ラベルを、諸橋酒造が製造する清酒に施した商品として告知され、720ミリリットル税込3800円で受注が始まっていました。ところが諸橋酒造は8月18日、自社とは関係のない会社が、無断で自社製造をうたった商品を販売しているとして注意喚起。9月3日には「一切許諾したことはない」と改めて表明し、弁護士に依頼して対応していることも明らかにしました。

その後、企画側は9月11日、販売を取りやめ、企画そのものを中止すると発表しました。説明によれば、地元のコーディネーターを通じて酒販店に相談し、その酒販店が諸橋酒造の特約店だったことから、商品化に向けた調整が進んでいると認識していたものの、実際には酒蔵の了解には至っていなかったということです。商品は製造・出荷されておらず、代金の支払いや商品の引き渡しも発生していません。また、神田明神納涼祭り側も、許可していたのは祭りの名称やロゴの使用、出店エリアでの告知などに限られ、商品の企画・製造・販売や酒蔵との契約には関与していないと説明しています。

日本酒のブランドはラベルだけではない

日本酒には、酒蔵の名前、銘柄、地域、歴史、造り手、そして飲んできた人たちの記憶があります。ラベルに書かれた名前は、単なる商品名ではありません。だからこそ、日本酒のブランドは、一般の商品以上に「信用」と結びついています。

たとえば、ある酒蔵の名前が付いた日本酒を見れば、消費者はその酒蔵が品質を確認し、責任を持って商品として世に出したものだと考えます。そこには、長年かけて築かれてきた信頼があります。今回の問題が示したのは、その信頼が、商品そのものが存在する前からすでに消費者との関係を作っているということです。

VTuberとのコラボそのものは、日本酒に新しい飲み手を呼び込む可能性があります。若い世代に銘柄を知ってもらい、これまで日本酒を飲まなかった人が酒蔵に興味を持つきっかけにもなります。しかし、そこに「酒蔵の名前」を使うのであれば、その名前が持つ信用まで一緒に扱うことになります。

ブランドとは何か

日本酒業界では、アニメ、ゲーム、音楽、地域イベント、観光など、異なる分野とのコラボレーションが増えています。これは、日本酒にとって大きな可能性です。日本酒だけを見ている人に日本酒を売るのではなく、日本酒を知らない人が別の入口から入ってくる。そうした「入口の多様化」は、これからますます重要になるでしょう。

一方で、ブランドを広げるほど、誰が何に責任を持つのかを明確にする必要があります。今回の件では、企画者、酒販店、イベント、販売主体、VTuberなど、多くの人や組織が関わっていました。そのため、ブランドの向こう側にある「責任」が見えにくくなっていたのかもしれません。

日本酒のブランドは、誰でも自由に利用できる「名前」ではありません。ブランド名は、有名になるためだけにつけられたものではないのです。そこには、酒蔵が積み重ねてきた時間と信用があります。

日本酒は、これまで酒蔵が守ってきたものです。しかしこれからは、酒蔵だけでブランドを作るのではなく、多くの人と一緒に育てていく時代になるのかもしれません。だからこそ、コラボレーションで最も大切なのは「話題になること」ではなく、互いの信用を守ることなのだと思います。

日本酒のブランドとは、ラベルに印刷された単なる名前ではありません。その背後にある市場との信頼の上に成り立つものです。ゆえに、それを手に取る者にも最低限の責任を負う必要があると思います。

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IWCとアジアの品評会が示す新しい日本酒評価軸

日本酒が海外で評価される機会が増えています。9月に入り、イギリスで開催される世界的な酒類コンペティション「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」では、日本酒部門の最高賞に「天美 純米吟醸 蛍天」が選ばれました。今年は1,700を超える日本酒が出品されるなど、世界から日本酒を見る視線は、以前とは比べものにならないほど大きくなっています。一方、9月9日には香港で「Oriental Sake Awards 2026」の結果も発表されました。こちらも専門家による審査ですが、アジアの市場を意識した品評会です。

この二つを並べてみると、興味深いことが見えてきます。それは、「世界で評価される日本酒」といっても、その評価は一つではないということです。

「世界一」だけでは見えない日本酒

日本酒の海外進出というと、どうしても「どの銘柄が世界一になったのか」という話題に目が向きます。もちろん、権威ある賞を受賞することは、蔵にとって大きな意味があります。海外の販売店や飲食店にとっても、商品を選ぶ際の分かりやすい目印になります。しかし、日本酒を飲む人が増えていけば、やがて「誰が一番高く評価したか」だけでは足りなくなります。

例えば、ヨーロッパの食文化の中で評価される日本酒と、香港やシンガポールなどアジアの都市で好まれる日本酒が、まったく同じとは限りません。食事との合わせ方、甘辛の好み、香りに対する感覚、価格に対する考え方など、それぞれの市場には異なる背景があります。

つまり、日本酒が世界に広がるということは、「世界共通の一つの基準に日本酒を合わせる」ということではなく、それぞれの地域で異なる評価軸が生まれていくことなのではないでしょうか。

評価されることで酒蔵の可能性も広がる

品評会の役割も変わっていくかもしれません。国内の鑑評会では、長く「どれだけ優れた酒を造れるか」という技術的な評価が重要でした。一方、海外のコンペティションでは、その酒がどのような料理や文化の中で受け入れられるのかという視点も重要になります。

これは酒蔵にとって、新しい可能性です。「賞を取るための日本酒」を造るのではなく、「この地域の食事と合わせるなら、この日本酒」「この国の人が楽しむなら、この味」というように、日本酒そのものを世界の食文化との関係の中で考えられるようになるからです。そして、それは日本酒の画一化とは逆の方向に進む可能性があります。

世界に広がるほど「日本らしさ」が問われる

海外で日本酒が知られるようになるほど、酒蔵には「何を世界に届けたいのか」という問いも生まれます。単純に海外で売れる味に変えてしまえば、日本酒そのものの個性が失われるかもしれません。しかし、日本国内だけの価値観に閉じてしまえば、新しい飲み手との接点を失います。重要なのは、その間にあるのではないでしょうか。土地の米、水、造り手の考え方といった日本酒の個性を持ちながら、それぞれの地域の食文化や飲酒習慣と出会っていく。その過程で、新しい評価が生まれていくのだと思います。

IWCのような世界的な舞台で評価されることも、香港のようなアジア市場で評価されることも、日本酒にとっては同じ「海外進出」ではありません。それぞれが違う入口から日本酒の価値を発見しているのです。

これからの日本酒に必要なのは、「世界一の日本酒」を一つ決めることだけではないでしょう。世界のさまざまな場所で、「この土地では、この日本酒がいい」と言われる酒が増えていくこと。その積み重ねこそが、日本酒を本当の意味で世界の酒にしていくのではないでしょうか。

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