Kura Master最高賞に「七賢 星ノ輝 スパークリング」

フランス・パリで開催される日本酒コンクール「Kura Master 2026」で、山梨銘醸の「七賢 スパークリング 星ノ輝」が、日本酒部門の最高賞となる「プレジデント賞」を受賞しました。9月30日に在フランス日本国大使公邸で発表されたもので、今年で10回目となるKura Masterの歴史の中で、スパークリング日本酒がプレジデント賞に選ばれたのは初めてです。

Kura Masterが始まったのは2017年。特徴的なのは、日本で開催される日本酒の品評会をフランスに持ち込んだものではなく、フランスの地で、フランス人を中心としたヨーロッパの飲食業界関係者が日本酒を評価するという点にあります。

第1回は32人のソムリエ、飲食・ホテル関係者、料理学校関係者、醸造関係者らが審査員となり、550銘柄が出品されました。2026年には約125人の専門家が審査し、日本酒だけでも9部門、決勝進出55銘柄という規模にまで成長しています。しかもKura Masterが重視してきたのは、単純な「酒としての完成度」だけではありません。フランスの食文化を背景に、料理との相性、つまりマリアージュを重要な評価軸としてきました。審査員にはMOF(フランス国家最優秀職人章)を持つソムリエや、一流ホテル、レストランの専門家も名を連ねています。ここに、この賞が日本酒にもたらした大きな意味があります。

日本国内では日本酒を「吟醸香」「旨味」「キレ」など、日本酒固有の言葉で語ることができます。しかしフランスで評価してもらうためには、ワインや料理と同じテーブルの上で、日本酒がどのような価値を持つのかを説明しなければなりません。Kura Masterは、その橋渡しを10年間続けてきたといえるでしょう。

今回の「七賢 スパークリング 星ノ輝」の受賞が象徴的なのは、まさにこの変化です。2026年の日本酒部門では、純米大吟醸、純米酒、大吟醸、クラシック酛、古酒、熟成酒などに加えて「サケ スパークリング」が独立した部門として設けられています。そしてプレジデント賞に選ばれた「星ノ輝」は、そのスパークリング部門の審査員賞を経て最高賞に到達しました。

さらに興味深いのは、今年の受賞酒全体です。審査員賞には、8年熟成の貴醸酒、山廃仕込純米酒、無濾過原酒、大吟醸、純米酒などが並びました。決勝進出酒にも江戸元禄期の酒を復刻した「超特撰白雪江戸元禄の酒」や熟成古酒などが含まれています。つまり、フランスで評価されている日本酒は、単純に「華やかで飲みやすい吟醸酒」だけではありません。伝統的な造り、熟成、濃厚な味わい、そして新しいスパークリングまで、日本酒の多様性そのものが評価され始めているのです。

「星ノ輝」の受賞について、審査委員長のグザビエ・チュイザ氏は、親しみやすさと複雑さ、高い技術性を併せ持ちながら、気負わず楽しめる点を評価しています。そして、こうした酒がフランスの人々を日本酒へ引きつけるとの趣旨を述べています。これは、今後のフランスにおける日本酒の方向性を考えるうえで重要です。

日本酒を「日本の伝統文化だから飲んでもらう」のではなく、フランス料理と合わせたときに何が起こるのかを伝える。そのためには、吟醸酒だけでなく、酸味のある酒、熟成酒、貴醸酒、スパークリングなど、料理によって使い分けられる多様な酒が必要になります。実際、2026年にはスパークリング日本酒を対象に、三つ星シェフ、ヤニック・アレノ氏監修の料理とのペアリングを評価する「アリアンス ガストロノミー賞」も実施されています。

Kura Masterの10年間は、日本酒をフランス人に「知ってもらう」段階から、フランスの食文化の中で「どう使うか」を考える段階への変化だったのではないでしょうか。今回の「星ノ輝」は、その変化を象徴する一本です。

これからフランスで求められる日本酒は、単に日本らしい酒ではなく、フランス料理や現地の食材と新しい関係をつくれる酒になっていくでしょう。伝統を守りながら、ワインとは異なる方法で料理を引き立てる。その可能性を、日本酒自身がどこまで提示できるか。Kura Masterの次の10年は、日本酒を「評価する場所」から、日本酒とフランスの食文化が新しい組み合わせを生み出す「実験の場」へと、さらに進んでいくのかもしれません。

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シドニー酒フェスティバル2026に見る日本酒の「楽しみ方」

9月11日から13日まで、オーストラリア・シドニーで「シドニー酒フェスティバル2026」が開催されました。会場となったのは、オペラハウスやハーバーブリッジを望む「Overseas Passenger Terminal」。3日間で約6,000人が来場し、80以上のブースで400種類以上の日本酒などが紹介されました。日本酒だけでなく、日本食、フードペアリング、セミナー、酒蔵との交流などを組み合わせたイベントです。今回の開催報告で興味深いのは、シドニーの人々が日本酒をどのように捉えているのかが、来場者アンケートから見えてきたことです。

アンケートでは、98.1%が日本酒の試飲を楽しみ、82.5%が日本酒を購入したと回答しています。一方で、酒蔵・日本酒関係者との交流は58.9%、日本酒について学ぶことは54.4%。さらに日本の商品やフードペアリングにも関心が広がっています。

つまり、日本酒は単なる「アルコール飲料」としてだけではなく、日本の食や文化、生産者と出会うための入口として受け止められていると考えられます。特に象徴的なのが、酒蔵訪問への関心です。シドニーの回答者では、これまで日本の酒蔵を訪れた経験がある人は36.5%でしたが、次回日本を訪れる際に酒蔵を訪れたいという回答は95.4%に達しました。これは、日本酒を「日本から輸入された商品」として消費するだけではなく、その背景にある土地や造り手そのものに興味を持つ人がいることを示しています。

ここには、日本との大きな違いがあります。もちろん日本でも、近年は酒蔵見学やペアリング、日本酒イベントなど「体験としての日本酒」が広がっています。しかし、日本では日本酒は長い間、食卓や宴席で飲まれる身近な酒でした。銘柄を知らなくても、地域の居酒屋やスーパーで普通に出会える存在です。一方、シドニーでは日本酒そのものが、まだ「知る」「試す」「選ぶ」という体験を伴いやすい酒です。そのため、今回のフェスティバルのように400種類以上を一度に試し、生産者と話し、料理との組み合わせを体験することに大きな意味があります。

シドニーで日本酒・果実酒を飲む場面としては、「友人との集まり」が73.8%、「レストラン・バー」が73.4%と高い割合を占めました。ここから見えてくるのは、日本酒の海外展開では「どんな酒なのか」だけでなく、「誰と、どこで、何を食べながら飲むのか」まで含めて提案する必要があるということです。

日本では「純米吟醸だからこう飲む」という商品情報が先に来ることがあります。しかし海外では、それ以上に「この料理と一緒に」「友人と」「シドニーの夜景を見ながら」という体験そのものが、日本酒を理解する入口になるのかもしれません。

日本酒が海外で広がるとき、日本の飲み方がそのまま輸出されるとは限りません。むしろ現地の食文化や生活スタイルと融合することで、新しい飲み方が生まれていく可能性があります。今回のシドニー酒フェスティバルは、そのことを象徴するイベントだったのではないでしょうか。

日本酒は「日本で飲まれてきた酒」から、「日本を知るための酒」へ。そして海外ではさらに、「人と人をつなぎ、食や旅へ広がっていく酒」へと、その役割を変え始めています。

日本酒の海外市場を見るとき、輸出量や販売金額だけでは分からない変化があります。それは、日本酒そのものが売れているのではなく、日本酒を入口に日本という文化全体が体験されているという変化です。シドニーでの約6,000人という来場者は、その可能性を考えるうえで興味深い数字と言えるでしょう。

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「日本酒=日本料理のお酒」からの脱却が世界で始まった

海外における日本酒のイメージが、少しずつ変わり始めています。これまで日本酒は、海外では「Sushi」「Sashimi」「Tempura」といった日本料理とセットで語られることが多い酒でした。日本食レストランに行けば日本酒がある。しかし、イタリア料理店やフランス料理店、ステーキハウスに行ったとき、あえて日本酒を選ぶ人はまだ限られていました。ところが現在、日本酒を日本料理だけに結びつけない考え方が広がっています。

そもそも日本酒は、料理との相性が非常に広い酒です。日本酒造組合中央会も、魚料理だけでなく、酸味のある料理や洋食など、さまざまな料理とのペアリングが可能だと説明しています。特に日本酒に含まれる豊富なアミノ酸による「うま味」は、料理の味わいを引き立てる特徴があります。この特徴を海外市場で生かそうという動きも始まっています。

例えば、ワインの世界では「フランス料理だからフランスワイン」という単純な関係ではありません。イタリア料理にニューワールドのワインを合わせることもあれば、日本料理にフランスワインを合わせることもあります。酒と料理の関係は、国籍ではなく「味」で考える時代になっています。日本酒も、そこへ入ろうとしているのです。

実際、日本政府系の海外向け情報でも、日本酒は寿司や刺身だけでなく、チーズ、牡蠣、野菜、シチュー、ラーメン、ステーキなどとも相性がよい酒として紹介されています。これは日本酒にとって非常に大きな意味を持ちます。「日本酒は日本料理と合わせる酒」という考え方では、日本食レストランの数が、そのまま日本酒の市場規模になりやすいからです。しかし「世界の料理に合わせられる酒」になれば、対象となる市場は一気に広がります。

イタリア料理に日本酒。フレンチに日本酒。メキシコ料理に日本酒。中華料理に日本酒。そして、現地の家庭料理に日本酒。そうなれば、日本酒は「日本文化を体験するための特別な酒」ではなく、「今日はこの料理だから日本酒にしよう」という日常的な選択肢になっていきます。

さらに重要なのは、海外で日本酒が「料理との相性」だけではなく、酒そのものの個性で語られ始めていることです。吟醸香、酸味、甘味、うま味、温度による変化。これらはワインやクラフトビール、蒸留酒などと同じように、テイスティングの対象になります。日本酒を「日本の酒だから飲む」のではなく、「この味が好きだから飲む」という消費者が増えれば、国籍を超えた市場が形成されます。オーストラリアで2026年7月に開催されたSake Festivalでも、日本酒そのものだけでなく、日本文化やフードとの組み合わせが体験として提供されています。

ここで日本の酒蔵に求められるのは、「日本酒を海外に輸出する」ことから、もう一歩進んだ発想ではないでしょうか。つまり、海外の料理と日本酒の新しい関係を、日本側から積極的につくっていくことです。

日本酒には、ワインのように「この料理にはこの酒」という固定された組み合わせがまだ十分に確立していません。これは弱点に見えますが、逆に考えれば、大きな可能性を孕んでいます。日本酒が世界の料理と出会うたびに、新しいペアリングが生まれる。そのとき日本酒は、「日本料理のお酒」ではなくなります。

日本酒が本当の意味で世界の酒になるために必要なのは、日本料理を世界へ広げることだけではありません。むしろ、世界の料理の中へ日本酒を入り込ませていくことなのかもしれません。これから海外で、日本酒とどの国の料理が新しい組み合わせを生み出すのか。そこに、日本酒市場の次の成長のヒントが隠れているように思います。

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台湾の酒米で日本酒を造る

台湾産の酒米を使い、新潟県十日町市の酒蔵で日本酒を造る取り組みが始まりました。企画したのは台湾・宜蘭県です。台湾では米の消費量が減少する一方、日本酒の輸入は伸びています。そこで、台湾で育てた酒米を日本へ送り、日本の酒蔵で日本酒に仕上げ、完成した酒を台湾で販売するという新しい循環をつくろうとしています。

今回使われるのは「台南21號」という酒米で、まず3トンが新潟へ運ばれています。秋から仕込みが始まり、完成は12月中下旬の予定です。松乃井酒造場など県内3社が製造に関わり、四合瓶で約5000本分が予定されています。

興味深いのは、台湾の米を使いながら、酵母などについては日本の技術を組み合わせる点です。台湾側からも「日本の酵母で造りたい」という考えが示されています。つまり、これは単純な原料輸入ではなく、台湾の農業と新潟の酒造技術を組み合わせた商品づくりなのです。

これまで日本酒の海外展開といえば、日本で造った日本酒を海外へ輸出するという形が基本でした。しかし今回の取り組みでは、原料の米は台湾で育てられ、酒造りは日本で行われ、完成した商品は再び台湾へ戻ります。ここには、日本酒の国際化における新しい形があります。

「日本のものを海外に売る」のではなく、海外の土地で生まれたものを、日本の技術によって日本酒という価値に変換するのです。しかも、台湾の農家にとっては新しい米の需要を生み出す可能性があります。日本酒を飲んでもらうことだけでなく、日本酒を介して米作りそのものを支える。そこに今回の取り組みの大きな意味があります。

今後、この仕組みが一度限りの試験醸造で終わるのか、それとも継続的な商品として定着するのかは、実際に完成した酒がどのように評価されるかにかかっています。台湾の米が新潟の気候や醸造条件でどのような味わいを生み出すのか。そして、その味わいを台湾の消費者がどう受け止めるのか。12月に完成する酒は、その可能性を確かめる重要な一歩になるでしょう。宜蘭県も完成後に専門家による評価や市場テストを行い、風味や販売戦略を調整する方針です。

さらに将来的には、台湾だけでなく、米作りが盛んなアジア各地との連携も考えられます。現地の米を使い、日本の酒造技術と組み合わせることで、その土地ならではの日本酒が生まれる可能性があります。そうなれば、日本酒の「地域性」の考え方も変わります。これまで「地域の米、水、気候、人」が地酒をつくってきました。これからは、国境を越えた米と技術、人の交流そのものが新しい地酒を生み出す時代になるのかもしれません。

今回の台湾産酒米による日本酒造りは、日本酒が海外へ出ていくニュースであると同時に、日本酒そのものが海外の土地と結びつき、新しい姿へ変化していくニュースでもあります。

日本酒の未来は、「日本で造った酒を世界で飲んでもらう」だけではないのかもしれません。世界の米と日本の技術が出会い、それぞれの土地に新しい日本酒が生まれる。その可能性を、今回の取り組みは静かに示しています。

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日本酒を「まとう」時代へ ~ NYファッションウィークから考える日本酒ファッションの可能性

日本酒を「飲むもの」ではなく、「まとうもの」として表現する。そんな新しい日本酒の発信が、ニューヨークで行われました。

山口県阿武町の阿武の鶴酒造は、2026年9月、ファッションデザイナーのKentaro Kameyama氏によるニューヨーク・ファッションウィークのショーに参加しました。六代目の三好隆太郎氏自身がランウェイに登場したほか、山口県からニューヨークまで持ち込んだ日本酒の四斗樽を、現地モデルが身にまとって披露しました。これは、日本酒そのものをファッションアイテムにしたというより、日本酒を象徴する「樽」や「蔵元」「土地」といった文化的な要素を、ファッションという別の表現に置き換えた試みです。

これまで日本酒の海外展開といえば、輸出した酒を現地で販売することや、和食との組み合わせを提案することが中心でした。しかし今回の取り組みは、その一歩先にあります。「日本酒を知ってください」ではなく、「日本酒から生まれる世界を感じてください」という発信なのです。

日本酒とファッションには共通点がある

一見すると、日本酒とファッションはまったく違う世界に見えます。しかし、両者には共通する部分があります。どちらも、単なる機能だけで価値が決まるものではありません。日本酒には、米、水、造り手、土地、歴史、器、食事、季節など、さまざまな物語があります。洋服にも素材、職人、デザイン、文化、時代背景、ブランドの思想があります。つまり、商品そのものだけではなく、「その商品が何を表現しているのか」が価値になります。

実際、国内でも、せんきんとユナイテッドアローズのコラボレーションなど、日本酒とファッションを組み合わせる試みは以前から行われています。また2025年には、日本酒レビューサイトSAKETIMEとアパレルブランドBYWEARが共同で「TIPSY HOUSE」を立ち上げ、日本酒とアパレルを組み合わせたライフスタイルを提案しました。今回の阿武の鶴酒造の取り組みは、こうした流れをさらに大胆にしたものと見ることができます。

国内でも「日本酒ファッション」は成立するのか

日本には、酒蔵の前掛け、法被、作務衣、酒袋など、日本酒と衣服が結びついた文化が昔から存在します。酒蔵のロゴが入った前掛けなどは、単なる仕事着ではなく、現在では日本酒を象徴するアイテムとしても認識されています。ここに現代的なデザインを加えれば、日本酒ファッションには大きな可能性があります。例えば、酒米の産地をデザインに取り入れた服、蔵の建築をモチーフにしたバッグ、ラベルを現代的に再構成したTシャツ、酒造りの道具をアクセサリーとして表現することも考えられます。

さらに、東京では「Rakuten Fashion Week TOKYO」が開催されており、東京は世界に向けて日本のクリエーションを発信する場の一つになっています。つまり、今回ニューヨークで行われたことは、必ずしも海外でなければできないことではありません。むしろ日本には、海外にはない「酒蔵」「前掛け」「米」「水」「祭り」「地域」といった豊富な素材があります。

日本酒の価値は「液体」だけではない

日本酒業界は、国内市場の縮小や酒蔵数の減少という課題を抱えています。一方で、海外では日本酒への関心が高まっています。JETROも、日本国内の酒蔵減少と海外需要の拡大を背景に、酒蔵と海外の酒ファンをつなぐ取り組みを進めています。だからこそ、これから重要になるのは「どれだけ日本酒を売るか」だけではないのではないでしょうか。

日本酒を飲まない人にも、日本酒を知ってもらう。その入口を食だけに限定せず、ファッション、音楽、アート、建築、デザインへ広げていく——そう考えると、日本酒は「液体の商品」から「文化を伝える媒体」へ変わることができます。阿武の鶴酒造がニューヨークのランウェイに持ち込んだ四斗樽は、その可能性を象徴しています。

日本酒を飲んだことのない人が、まずファッションを見て日本酒に興味を持つ。そして、その土地や酒蔵を知り、いつかその酒を飲んでみる——日本酒の未来は、酒瓶の中だけにあるのではありません。「日本酒をまとう」という発想は、日本酒をもっと自由な文化へ変えていく、新しい入口になるのではないでしょうか。

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IWC 2026の最高賞に「天美 純米吟醸 蛍天」

世界的なワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」2026年のSAKE部門で、山口県・長州酒造の「天美 純米吟醸 蛍天」が最高賞となる「Champion Sake」に選ばれました。2026年はIWCの日本酒部門が始まって20周年という節目の年です。さらに今年は、海外の酒蔵を含む457社、1,738銘柄が出品され、過去最多を更新しました。

「蛍天」は、山口県産の酒米のみを使用し、初夏に舞う蛍をイメージした酒です。爽やかな酸味と豊かな味わいが評価され、純米吟醸部門のトロフィーを獲得。そのうえで、各カテゴリーのトロフィー受賞酒の中から頂点に選ばれました。

20年で「日本酒の評価軸」は変わった

IWCのSAKE部門が始まった2007年、出品数は228銘柄でした。それが今年は1,738銘柄です。単純比較すれば、約20年間で出品規模は7倍以上になっています。2025年にも1,476銘柄が出品されており、日本酒への世界的な関心が着実に広がっていることが分かります。

しかも、評価の対象は高級な大吟醸だけではありません。今年のトロフィーを見ると、普通酒、本醸造、純米酒、吟醸、大吟醸、古酒、熟成酒、スパークリングまで幅広いカテゴリーから選ばれています。

つまりIWCは、日本酒を「高精白で華やかな酒」という一つのイメージだけで評価しているわけではありません。日本酒にはさまざまなスタイルがあり、それぞれの個性に価値があるという見方が、世界の評価の中にも定着してきたといえるでしょう。

今年の特徴は「広がり」

2026年に特に注目したいのが、新たに「フレーバー・サケ」部門が設けられたことです。日本酒をベースに果汁や果実、茶などを加えた酒も評価対象になりました。

これは、日本酒の「純粋性」が失われたという話ではありません。むしろ、日本酒を核として、飲み方や楽しみ方をどこまで広げられるのかという、新しい可能性への挑戦です。

一方、最高賞に選ばれた「蛍天」は、山口県産の酒米を使い、土地の情景を感じさせる酒です。世界へ開かれていく一方で、地域性も強くなっている。この二つが同時に存在していることが、今年のIWCを象徴しているように思います。

「世界基準」は日本酒を均質化するのか

海外のコンテストで評価されるようになると、「世界で評価される味」に日本酒が合わせられていくのではないか、という懸念もあります。しかし、今年の結果を見る限り、必ずしもそうとは言えません。

IWC 2026では、長野県の「渓流 吟醸」がGreat Value Champion Sakeに選ばれ、宮城県の新澤醸造店はSake Brewer of the Yearに選出されています。また、茨城、長野、栃木、山口がSake Prefecture of the Yearの候補となっています。地域も酒質も一つではありません。

世界市場に進出するということは、世界に合わせることだけではなく、「自分たちは何者なのか」を世界の評価軸の中で示すことなのかもしれません。

20周年のIWCが日本酒に問いかけるもの

IWCの日本酒部門が始まった2007年、日本酒の海外市場は今ほど大きな注目を集めていませんでした。それから20年。出品数は大幅に増え、海外からの出品も現れ、審査カテゴリーも広がりました。そして今年、最高賞を獲得したのは「天美 純米吟醸 蛍天」でした。

この結果が意味するのは、単に「山口の酒が世界一になった」ということではありません。日本酒は今、「日本国内でどう評価されるか」だけではなく、「世界の人にどのような酒として伝わるのか」を問われる段階に入っています。そのとき重要になるのは、世界に迎合することではなく、日本酒が持っている地域性、季節感、造り手の思想、そして飲む人の体験を、世界に伝わる言葉へ翻訳していくことではないでしょうか。

20周年を迎えたIWCは、日本酒の「世界進出」の到達点ではありません。むしろ、日本酒が世界の酒として次の20年へ踏み出す、その出発点に立っているのだと思います。

▶ IWC2026 SAKE部門審査結果発表 ~ 世界に選ばれる日本酒はどう変わったのか

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音楽が日本酒を世界へ運ぶ ~ Gamma Rayとの異色コラボが示す「次の輸出戦略」

日本酒とドイツのヘヴィメタルバンド。普通に考えれば、かなり意外な組み合わせです。ところが今、その二つを結びつけた一本の日本酒が登場しました。ドイツを代表するパワーメタルバンド「Gamma Ray」と広島県三次市の美和桜酒造がコラボレーションした純米大吟醸『RISING SUN』です。

この商品は、株式会社こふろが進める「変異酒(HENI-SHU)」プロジェクトの第一弾として発表されたものです。8月13日に発売が発表され、8月15日から限定100本、720ml・税込8,000円で販売されています。

しかし、本当に興味深いのは「なぜGamma Rayだったのか」という点でしょう。そのきっかけとして大きいのが、Gamma Rayの創設者であるカイ・ハンセンと日本との長年にわたる深い縁です。Gamma Rayは1989年に結成され、1990年のデビューアルバムはドイツだけでなく日本でも大きな反響を呼びました。その後も30年以上にわたって来日を重ねています。今回のプロジェクトの公式サイトでは、ハンセンがデビュー当初から日本のファンとの縁を持ち、数多くの来日公演を通じて日本への愛情を積み重ねてきたことが、今回のコラボレーションにつながったと説明されています。

つまり、これは「日本酒側が有名な海外アーティストを探してきた」というだけの企画ではありません。日本文化に長く親しんできたアーティストと、日本酒を世界に発信したい側の思いが重なったからこそ実現したコラボレーションなのです。ここには、日本酒の海外展開を考えるうえで重要なヒントがあります。

これまで日本酒の海外戦略では、「日本料理との相性」「伝統」「米」「水」「職人技」といった、日本酒そのものの魅力を説明することが中心でした。しかし、それだけでは日本酒を知らない人に届きにくいという問題があります。そこで重要になるのが、日本酒を別の文化への入口にすることです。

今回の『RISING SUN』なら、入口は日本酒ではありません。Gamma Rayです。ファンが「Gamma Rayだから飲んでみたい」と思い、その結果として日本酒を知る。逆に、日本酒ファンがGamma Rayという音楽に興味を持つこともあるでしょう。これは単なる限定ラベルではなく、文化と文化をつなぐ「接点」なのです。しかも、相手は必ずしも音楽である必要はありません。映画、ゲーム、アニメ、スポーツ、ファッション、アート、文学、さらには海外の料理人やレストランなど、日本酒が接続できる文化は無数にあります。重要なのは、「日本酒を海外に売る」のではなく、海外にすでに存在する文化のコミュニティの中へ日本酒を置くことです。

もちろん、著名人の名前を借りただけの商品では一過性で終わります。今回のように、その人物と日本との長年の関係や、酒蔵の地域性、商品の物語まで結びついて初めて価値が生まれます。『RISING SUN』が広島・三次の美和桜酒造によって醸されていることも重要です。ドイツの音楽、日本への愛着、広島の酒蔵という三つの物語が一本のボトルに収まっているからです。

日本酒は、もはや「日本料理店で飲む日本の酒」だけである必要はありません。ロックファンが飲んでもいい。映画ファンが飲んでもいい。サッカーファンが飲んでもいい。日本酒を知らなかった人が、好きなものを入口にして一本の酒と出会えば、それが新しい市場の入口になります。

Gamma Rayとの『RISING SUN』が示しているのは、海外展開の新しい形です。日本酒を世界へ持っていくのではなく、世界中にある「好き」という感情のところへ、日本酒を届ける。これからの日本酒の国際化では、この発想がますます重要になっていくのではないでしょうか。

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『KURA ONE』が切り拓く日本酒輸出の新しい形

日本酒の小容量輸出ブランド「KURA ONE(クラワン)」が、ブランドパーパスを「日本酒を入口に、日本の地域の個性を届けること。」と明文化しました。あわせてブランドメッセージには「知らなかった日本の地域に、夢中になる。」を掲げています。今回の発表は、新しい事業への転換というより、これまでの活動を通じて見えてきたブランドの存在意義を、あらためて言葉にしたものです。

KURA ONEを運営するアイディーテンジャパンの歩みを振り返ると、この方向転換とも見える「明文化」が、実は創業時から一貫していたことが分かります。KURA ONEが市場に登場したのは2022年です。180mLという小容量の日本酒をアルミ缶に詰めるという、それまでの日本酒にはあまりなかったスタイルでスタートしました。最初の市場は日本ではなく、2022年にフランスで開催されたイベントでした。その後、ドイツや北マケドニアでも試飲会を行い、海外で先に反応を確かめています。

当初から狙っていたのは、単に「日本酒を小さくする」ことではありませんでした。海外で日本酒を購入しようとすると、720mLの瓶が中心となり、重い、割れやすい、量が多いというハードルがあります。そこで180mLのアルミ缶にすることで、試しやすく、持ち運びやすく、海外にも送りやすい商品へと変えました。アルミは瓶より軽く、割れにくいうえ、紫外線も遮断できます。さらに重要なのが、「試して終わり」にしなかったことです。

KURA ONEは、既存の四合瓶商品の「先発部隊」としての役割も想定していました。小容量で飲んで気に入った人が、その後720mLの商品を購入できるよう、ラベルやQRコードなどを使って本商品への導線をつくっていたのです。つまりKURA ONEは、日本酒そのものではなく、日本酒との最初の接点をつくる商品として設計されていました。

2023年1月には正式販売を開始。毎月異なる銘柄を届けるサブスクリプションも展開し、世界100カ国以上への配送を打ち出しました。さらに2023年12月には専用ECサイトを開設し、KURA ONEそのものを一つのブランドとして育てる段階へ進みました。そして現在、その思想はさらに一歩進んでいます。2025年には、地元の米と水、オリジナルの日本酒を基本条件とする「Re」シリーズを展開。「地名を、味わいに。」という考え方で、酒蔵だけではなく、その酒が生まれた地域そのものを前面に出す方向へと進みました。

今回のブランドパーパス刷新は、この流れの延長線上にあります。これは日本酒業界にとって、かなり重要な変化ではないでしょうか。

これまで海外に日本酒を売る場合、「純米大吟醸」「吟醸香」「精米歩合」といった酒そのものの魅力を説明することが中心でした。しかしKURA ONEが目指しているのは、「この酒はどこの酒なのか」という問いから入ることです。

北海道、秋田、山形、広島、佐賀――

地名を知り、その土地の水や米を知り、酒蔵を知り、料理を知る。そして最後には「その土地へ行ってみたい」と思ってもらう。日本酒を目的地にするのではなく、日本の地域へ向かう入口にするわけです。ここに、これからの日本酒輸出の大きな可能性があります。

日本酒の輸出競争が激しくなるほど、「おいしい日本酒」だけでは差別化が難しくなります。しかし、日本には全国各地に酒蔵があり、それぞれに地名、風土、食文化、歴史があります。その膨大な地域資源を一杯の酒に結びつけられるなら、日本酒は単なるアルコール飲料ではなく、「日本を知るためのメディア」になれます。

KURA ONEが小さな缶から始めて、飲み比べ、ペアリング、ギフト、イベント、そして地域との接点へと広げてきた歩みは、その可能性をすでに示しています。これからKURA ONEに求められるのは、さらに多くの日本酒を海外へ送ることだけではないでしょう。「この一杯を飲んだら、次はこの町に行ってみたい」——そう思わせることです。

日本酒の輸出ブランドから、日本の地域を世界へ届けるブランドへ。今回のパーパス刷新は、KURA ONEが目指す場所を明確にしたというより、日本酒そのものの海外展開が次の段階へ進むことを示す一つの象徴なのかもしれません。

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日本酒の次のターゲットはインドになるのか ~ 見えてきた巨大市場の可能性

日本酒の海外展開というと、これまではアメリカ、中国、香港、台湾、そしてヨーロッパなどが中心でした。ところが今、次なる市場として存在感を高めつつあるのがインドです。

その動きを象徴するニュースが入ってきました。2026年8月5日、ニューデリーの在インド日本国大使館で、日本酒・焼酎のプロモーションイベントが開催されました。今回のイベントには、日本各地から9つの酒蔵が参加。インドの政府関係者をはじめ、ホテル、レストラン、輸入事業者、メディアなどが集まり、それぞれの酒蔵が酒造りやブランドの背景、味わいの違いを紹介しました。

しかも、この催しは単独の試飲会ではありません。日本とインドの交流を促進する「ジャパンマンス」のオープニングイベントとして開催されたものです。つまり日本酒を、単なるアルコール商品としてではなく、日本文化そのものを伝える入口として位置付けているわけです。

ここで注目したいのが、インド料理との相性です。2025年にも在インド日本国大使館では、日本産酒類とインドカレーのペアリングディナーが開催されています。その際には、辛味のあるフィッシュカレーやパラク・コフタ、ダル・マカニなどと日本酒を合わせ、日本酒のキレや旨味がインド料理とどのように調和するかが紹介されました。

これは、日本酒の海外戦略を考えるうえで非常に重要なポイントです。日本酒は長い間、「日本料理に合わせる酒」として海外へ紹介されてきました。しかし、それでは日本食レストランという限られた市場から抜け出すことが難しくなります。

インドの場合は逆です。世界的に知られたインド料理という巨大な食文化があります。そこに日本酒を合わせることができれば、「日本酒=和食の酒」という従来の枠組みを越えられる可能性があります。実際、今回のイベントでも来場者から、日本酒とインド料理との親和性や、プレミアムアルコールとしての可能性に関心が寄せられたとされています。

さらに興味深いのは、今回の取り組みが「売って終わり」ではないことです。イベントを支援した株式会社日本酒にしようは、現地での市場調査、輸出、輸入事業者とのマッチング、ホテルやレストランへの営業、試飲会、ブランドPR、現地スタッフ教育などを一貫して支援しています。つまり、インド市場への挑戦は、単に日本酒を輸出する段階から、「現地で日本酒を売る仕組みそのものをつくる段階」へ進もうとしているのです。

もちろん、インド市場には課題もあります。酒類販売に関する制度や税制は複雑で、州によっても事情が異なります。過去には日本酒の輸入手続きにも変更が生じており、海外展開には現地制度への対応が欠かせません。それでも、インドを無視することはできません。

日本酒の海外市場を考えるとき、これから重要になるのは「現在どれだけ売れているか」だけではありません。これから酒文化が育つ余地がどれだけあるかです。インドでは、すでに日本食や日本文化への関心が存在し、現地のホテルや飲食業界を対象とした日本酒普及活動も継続されています。在インド日本国大使館自身も、インドにおける日本食・日本酒の認知度向上を目的として、毎年普及イベントを開催しているとしています。

考えてみれば、日本酒にとってインドは「完成した市場」ではありません。むしろ、これから市場をつくっていく場所です。だからこそ可能性があります。

アメリカで日本酒が「Sake」という独自のカテゴリーとして認知されつつあるように、インドでも日本酒が新しいプレミアムアルコールとして定着する可能性は十分にあります。そしてその鍵を握るのは、日本酒を日本料理の添え物として売るのではなく、インド料理、ホテル、富裕層、食文化、そして日本文化そのものと結びつけていくことではないでしょうか。

日本酒の次のターゲットは、本当にインドになるのか。今回の大使館主催イベントは、その答えが「まだ市場になっていないからこそ、今から育てる価値がある」という方向へ動き始めていることを示しているように思います。日本酒の海外戦略は、「どこへ輸出するか」から「どこで酒文化を育てるか」へ。インドは、その転換を試す最初の大きな舞台になるかもしれません。

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シンガポール唯一の酒蔵が示す「南方の日本酒」という可能性

シンガポールに、日本酒を一から造る酒蔵があります。2024年に醸造を開始した「Orchid Sake Brewery」は、シンガポール初にして現在唯一の酒蔵です。8月8日、現地メディアのCNAがその取り組みを詳しく紹介し、改めて注目を集めています。

場所はシンガポール西部のジュロン。魚介類を扱う業者などが入る工業地区の一角という、日本の酒蔵とはかなり異なる環境です。しかもシンガポールは年間を通して高温多湿です。日本酒造り、とりわけ麹造りにとっては決して容易な環境ではありません。それでも同蔵は、2024年11月に最初の仕込みを行い、現在では前年の約3倍まで生産量を伸ばしています。シンガポール人のReuben Oh氏と、日本から渡った杜氏のYumika Yamamoto氏が中心となり、伝統的な技術と現地の環境を組み合わせています。東京や大阪にも都市型の酒蔵があることから、「水や温度は管理できる」という発想に転換したことが、挑戦の出発点になりました。

興味深いのは、設備の考え方です。ビール醸造用のタンクを改造したり、日本酒用の圧搾機の代わりに水を入れた容器を使ったり、蒸米には高価な専用設備ではなく、飲茶などで使われる竹製の蒸籠を応用したりしています。高価な酒造設備をそのまま海外へ持ち込むのではなく、現地で入手できるものを工夫して使っているのです。

そして、さらに面白いのが「現地化」です。同蔵では北海道産の酒米を使った伝統的なタイプだけでなく、東南アジアの食文化を意識した酒も造っています。代表的なのが黒もち米「pulut hitam」を使った酒です。さらに黒米、現地の花や果物などを取り入れた商品も展開しています。これは「日本酒を海外で造る」という段階から、「その土地の酒として日本酒を再構築する」という段階へ進みつつあることを意味します。

実際、同蔵の酒はシンガポールのミシュラン星付きレストランでも提供され、2026年のTokyo Sake Challengeでは金賞を獲得しています。日本酒としての品質を維持しながら、東南アジア料理との相性を意識した商品開発も進めています。

ここから考えたいのが、「南方の酒蔵」の可能性です。日本酒はこれまで、寒冷地で冬に仕込むというイメージが強くありました。しかし、温度や湿度を精密に管理できる現代では、必ずしも寒冷地でなければ造れないわけではありません。むしろ熱帯・亜熱帯には、これまで日本酒が十分に向き合ってこなかった食材や料理があります。タイならジャスミン米、ベトナムなら現地米、インドネシアなら黒米やもち米。さらにマンゴー、パッションフルーツ、ココナツ、ハーブ、花など、日本とは異なる香味素材も豊富です。

重要なのは、それらを単純に「日本酒に混ぜる」ことではありません。現地の食文化を理解し、その土地の料理に合う酒質を考え、その土地の原料を生かす。そうなれば、そこに生まれるものは「日本酒のコピー」ではなくなります。ワインが世界各地で土地ごとの個性を獲得してきたように、日本酒もまた世界各地で異なる表情を持つ可能性があります。

シンガポールの小さな酒蔵が示しているのは、海外輸出の次のステージなのかもしれません。日本から完成した日本酒を届けるだけではなく、日本酒を造る技術と思想を世界へ持っていく。そして、それぞれの土地で新しい「SAKE」を生み出していくのです。日本酒の未来は、北の雪国だけではなく、赤道の近くにも広がっているのかもしれません。

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