チリ発・南米最大の酒の祭典Catad’Or World Wine Awards 2025に見る日本酒の未来

【サンティアゴ・2025年11月6日】中南米最大の国際的な酒類コンペティション「Catad’Or World Wine Awards(カタドール・ワールド・ワイン・アワーズ)2025」の結果が11月6日に発表されました。ワイン・スピリッツが中心の同アワードにおいて、2023年から正式に審査カテゴリーに加わった日本酒(SAKE)が今年も多数の賞を獲得し、世界的な評価を不動のものとしつつあります。

Catad’Or World Wine Awards:南米の酒類文化を牽引する歴史と位置づけ

Catad’Or World Wine Awardsは、チリの首都サンティアゴで毎年開催される、中南米で最も権威ある国際的な酒類コンペティションです。1995年の設立以来、当初はチリ国内のワイン評価を主目的としていましたが、現在はその対象を中南米全域、さらには世界各国のワイン・スピリッツ・そして日本酒などへと広げ、名実ともに南米最大の酒類品評会へと成長しました。

このアワードの大きな特徴は、審査に国際ブドウ・ワイン機構(OIV)の厳格な規定を採用している点です。OIVの「30%受賞ルール」に従い、出品総数の30%までしかメダルを授与しないという厳しい基準は、受賞の価値を非常に高いものにしています。ヨーロッパ圏の権威あるコンテストが数多く存在する中、中南米という巨大な新興市場における「羅針盤」としての地位を確立しており、特に南米諸国への販路拡大を目指す酒類メーカーにとって、その受賞歴は極めて重要な意味を持ちます 。

審査対象入り3年目:日本酒が獲得した確かな手応え

日本酒が正式な審査カテゴリーとして導入されたのは2023年。これは、南米における日本食ブームや、チリのワイン文化との親和性の高さなどから、日本酒の将来的な市場拡大への期待が高まったことを示しています。

2025年のコンペティションにおいては、多くの日本酒が出品され、最高賞にあたる「Mejor Sake」をはじめ、金賞(Gold Medal)、銀賞(Silver Medal)といったメダルが授与されています。このような受賞は、今後の日本酒業界に複合的な好影響をもたらすと考えられます。

最も直接的な効果は、南米市場への本格的な足がかりとなることです。チリやブラジルといった国々は、ワイン文化が根付いており、同じ醸造酒である日本酒を受け入れる土壌が既に存在します。このコンペティションでの高評価は、南米現地の消費者やソムリエに対し、日本酒の品質を保証する強力な「お墨付き」となります。これまでアメリカやヨーロッパが中心だった日本酒の輸出戦略において、「南米ルート」が重要な柱の一つとなる可能性を高めます。

Catad’Or World Wine Awardsでの継続的な受賞は、日本酒を「和食の傍ら」の存在から、世界のアルコール飲料市場における普遍的な嗜好品として位置づけるための、重要な一歩と言えるでしょう。

Mejor Sake嘉美心 純米大吟醸嘉美心酒造株式会社
Great Gold陸奥八仙 natural sparkling八戸酒造株式会社
Great Gold陸奥八仙 貴醸酒八戸酒造株式会社
Great Gold陸奥八仙 特別純米八戸酒造株式会社
おいしい日本酒が見つかる最新トレンドと飲み方ガイド

北米最大級ワインコンクール「Sélections Mondiales des Vins 2025」日本酒部門の結果が発表される

Sélections Mondiales des Vins(セレクシオン・モンディアル・デ・ヴァン、略称:SMV)は、ワインの国際的な品評会として、カナダのモントリオールで毎年開催されています。その歴史は長く、1983年に第1回が開催されて以来、北米で最も権威あるワインコンペティションの一つとして確固たる地位を築いてきました。

世界におけるSMVの位置付けと日本酒部門

SMVは、国際ブドウ・ワイン機構(OIV)と世界ワイン・スピリッツ・コンペティション連盟(VINOFED)の公認を得ていることが最大の特徴です。この公認は、審査の公平性、透明性、そして厳格な基準が国際的に認められている証であり、世界最大級のワインコンペティションとしての信頼性と威信を裏付けています。受賞歴は、世界市場におけるブランドの認知度向上と販売促進に直結するため、世界中の生産者が注目の的としています。

そのSMVは長年、ワイン部門のみで開催されてきましたが、昨年(2024年)から新たに日本酒(Sake)部門が開設されました。この背景には、世界市場、特に北米市場における日本酒人気の爆発的な高まりがあり、下記のような点を考慮してのことです。

【グローバルな食文化の変化】和食がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、日本食への関心が高まり、それに伴い日本酒の需要が増加しているため。

【多様な飲用機会】日本酒が、和食だけでなくフレンチやイタリアンといった多様な料理と合わせる酒として認識され始めているため。

【コンペティションの包括性】市場の変化に対応し、国際的な酒類コンペティションとしての包括性を高めるため。

この部門開設は、日本酒が単なる日本のローカルな酒から、世界的な高級酒としての地位を確立する上で、極めて重要なターニングポイントとなっています。

Sélections Mondiales des Vins 2025 日本酒部門の最高金賞

このSMVでは、国際審査員による厳正なブラインドテイスティングで、「GRAND OR/GRAND GOLD(最高金賞)」「OR/GOLD(金賞)」「ARGENT/SILVER(銀賞)」が決まります。今年は10月8日から10月11日にかけて開催され、日本酒部門における「GRAND OR/GRAND GOLD(最高金賞)」は下記5銘柄が選ばれました。なお、「作 槐山一滴水」は、審査員特別賞にも選ばれています。

GRAND OR作 槐山一滴水清水清三郎商店株式会社
GRAND OR作 恵乃智清水清三郎商店株式会社
GRAND OR超特選純米大吟醸 残響 Super7株式会社新澤醸造店
GRAND OR一ノ蔵 純米大吟醸 松山天株式会社一ノ蔵
GRAND OR天明 純米火入 オレンジの天明曙酒造株式会社

▶ Sélections Mondiales des Vins

▶ 作 槐山一滴水|北米最大級のコンクールで最高金賞。プレミアム日本酒

おいしい日本酒が見つかる最新トレンドと飲み方ガイド


グランプリは山口の名酒「五橋」──世界が注目する日本酒コンテスト「MONACO SAKE AWARD 2025」

2025年10月6日、モナコ公国の名門施設「Yacht Club de Monaco」にて開催された「MONACO SAKE AWARD 2025」において、山口県は酒井酒造株式会社の「純米大吟醸 錦帯五橋」がグランプリに輝きました。このコンテストは、モナコと日本の文化交流を目的に始まった国際的な日本酒コンクールであり、世界中の美食家やソムリエが審査に参加することで知られています。

MONACO SAKE AWARDの国際的な位置づけ

MONACO SAKE AWARDは、単なる品評会ではなく、日本酒の国際的な認知度向上と市場拡大を目的とした文化的イベントです。審査員にはモナコ在住の宮廷シェフや一流ホテルのソムリエなどが名を連ね、地中海の美食都市モナコで開催されることで、フランスやイタリアなど欧州の食文化との融合が試され、日本酒の新たな可能性が探求されます。

特に今年のマリアージュ賞のテーマは「モッツァレラチーズ」であり、日本酒と西洋食材の相性を評価するユニークな試みが注目を集めました。これは、海外市場における日本酒のポジショニングを強化するうえで重要な指標となります。

今回のグランプリ受賞で、「五橋」の酒井酒造にとっては、海外の一流レストランやホテルでの採用が期待されるほか、輸出拡大やブランド価値の向上につながると見られます。それは、国際的な評価を得る大きな機会となるだけでなく、審査結果が酒造りの現場にフィードバックされることで、日本酒業界全体にも好影響を与えるはずです。

▶ 純米大吟醸 錦帯五橋|モナコ・サケ・アワードの最高賞に輝いた日本酒

おいしい日本酒が見つかる最新トレンドと飲み方ガイド


「Oriental Sake Awards 2025」の最高賞が決まる──アジア市場が示した次の日本酒基準

アジア最大級の日本酒コンテストとして知られる「Oriental Sake Awards 2025」(以下 OSA)において、最高賞「サケ・オブ・ザ・イヤー」に新澤醸造店(宮城県大崎市)の「あたごのまつ 鮮烈辛口」が選ばれました。アジア全域から集まった審査員によるブラインド審査を経て決まるこの賞は、その年を代表するたった一本の日本酒に贈られる栄誉です。本醸造酒である同銘柄が、アジアの大規模市場で最も高い評価を獲得したことは、日本酒の未来に大きな意味を持ちます。

アジア市場で求められる食中酒としての完成度

OSAは香港を拠点とし、アジアに広がる日本酒ファン・飲食店・ホテル・輸入事業者から高い注目を集める国際日本酒コンテストです。アジアは現在、世界で最も日本酒消費が増えている地域であり、日本酒の新たな市場を形成する存在になっています。そこで最高賞に選ばれたということは、単に品質の高さだけでなく、「アジアの食文化に適応し、現地で愛される可能性が最も高い酒」として評価されたことを意味します。

「あたごのまつ 鮮烈辛口」は、キレのある辛口設計に加え、柔らかな米の旨味がバランスよくまとまり、食中酒としての対応力が非常に高い日本酒です。–5℃での氷温貯蔵によるクリアな味わいが保たれている点も評価され、寿司や日本料理はもちろん、東南アジアのスパイス料理や中華料理との相性も自然と高まります。国や文化を超えてペアリングの幅が広がることが、アジア市場で強く支持された理由の一つといえるでしょう。

本醸造の価値がアジアで再定義される

今回の最高賞には、もうひとつ重要な視点があります。それは、「本醸造」というカテゴリーがアジア市場において高く評価された点です。日本国内では純米・吟醸系が注目されがちですが、アジアでは日常酒としての飲みやすさや、料理に寄り添う万能性が求められ、本醸造の持つ「軽快さ」や「キレ」が強い武器になります。

OSAという大舞台で本醸造酒が頂点に立ったことは、日本酒の国際展開において「高価格帯・華やかさ」だけが評価軸ではないという、新たなメッセージでもあります。「毎日の食卓に合わせやすい味」こそが、アジアの日本酒需要を押し上げる原動力であることを示した結果といえます。

アジア発の評価が日本酒の未来を動かす

日本酒の輸出額の伸びをけん引しているのは中国・台湾・香港・シンガポール・タイなど、アジアの国々です。こうした市場では、現地の味覚や酒類文化を踏まえながら、その土地で選ばれる酒であるかどうかが重要になります。

OSAはまさにその指標となるコンテストであり、そこで最高賞を受けたということは「あたごのまつ 鮮烈辛口」がアジアで最も伸びる潜在力を持った銘柄であると評価されたに等しいのです。今後、アジアの飲食店やラグジュアリーホテルで採用が進む可能性も高く、海外販路の拡大に直結する成果となるでしょう。

地域の蔵からアジアの『日常酒』へ

「あたごのまつ 鮮烈辛口」の受賞は、地方の蔵元が生み出す「日常に寄り添う酒」が、アジアの巨大市場へと橋を架けた瞬間でもあります。華やかさではなく、食卓に溶け込む味わいが選ばれたことは、日本酒文化が次の段階へ進みつつあることを示しています。

アジア最大級のコンテストで生まれたこの結果は、これからの日本酒の海外展開において大きな指標となり、さらなる市場拡大と文化交流の鍵を握るものになるでしょう。

▶ アジア最大級の日本酒コンテスト「Oriental Sake Awards 2025」

▶ あたごのまつ 鮮烈辛口|アジア最大級の日本酒コンテストで最高賞を獲得

おいしい日本酒が見つかる最新トレンドと飲み方ガイド


「梵」、INTERNATIONAL SAKE CHALLENGE 2025で4冠

2025年の INTERNATIONAL SAKE CHALLENGE(ISC) の審査結果がこのほど発表され、福井県鯖江市の加藤吉平商店による銘酒「梵(BORN)」が、7部門中4部門で最高賞である TROPHY(トロフィー) を獲得しました。

この結果は、単なる受賞の枠を超え、「梵」というブランドが改めて世界の審美眼に通用する品質を持つことを証明したものとして注目されています。

INTERNATIONAL SAKE CHALLENGEとは

ISCは、2007年に設立された日本酒の国際審査会で、世界的なワインコンペティション「International Wine Challenge(IWC)」の姉妹大会に位置づけられています。

しかし、IWC SAKE部門とは異なり、ISCは完全に日本国内で開催される国際基準の官能評価会である点が特徴です。審査員には日本国内の酒類鑑定士や蔵人だけでなく、海外のマスター・オブ・ワイン(MW)やワインジャーナリスト、ホテルソムリエなど、非日本人審査員が多数参加しており、評価基準はワインやスピリッツの世界基準と同等の枠組みで運営されています。

他の主要コンクール――たとえば全国新酒鑑評会やSAKE COMPETITIONなどが「技術力」を基準にした美味しさを評価するのに対し、ISCは世界の消費者が感じる美味しさという普遍的基準を軸に置いています。
香味の完成度・熟成バランス・温度変化による味の展開、さらには輸出市場での可能性まで含めた「総合的国際評価」が行われるため、世界で売れる日本酒を見極める場ともいわれます。

世界に知られる「梵」が、再び世界基準で認められた

そんな審査の中で、梵が4部門でトロフィーを獲得したのは極めて異例です。

梵はすでに、海外では「BORN」というローマ字表記で高級レストランや一流ホテルに流通しており、国際的名声を得ているブランドです。1998年の国際酒祭り(カナダ・トロント)ではグランプリを受賞、カンヌ国際映画祭で日本酒として初めて晩餐酒として使われるなど、国際的な舞台に度々登場してきました。

つまり、世界市場での名声をすでに持つ酒が、あえて世界標準の審査に挑み、とんでもない快挙を達成したのです。しかも「梵・天使のめざめ」は、毎年のようにトロフィーを獲得しています。

このように、「評価されるべき酒が、再び評価された」ことは、一見当然のようでいて、実は非常に難しいことです。なぜなら、知名度のある酒ほど期待値が高く、厳しい目が向けられるからです。そんな中でも、「梵」が純米大吟醸・吟醸・純米酒・熟成酒と複数のカテゴリーで最高賞を得たことは、蔵としての総合力と品質維持力の高さを、あらためて世界に示した形です。

今後への影響

今回のISC2025での「梵」の快挙は、「世界に認められた日本酒」が我が国の日本酒コンテストで認められたということであり、日本酒の評価軸が定まってきたことを象徴しています。

これまで日本酒は、国内で高い評価を受けても必ずしも海外で理解されるとは限らず、また逆に、海外で人気を博す銘柄が国内審査で埋もれることもありました。しかし今回、「梵」が世界の舞台で培った信頼と、日本の酒としての完成度を両立させ、「世界品質の日本酒」として再確認されたことは、業界全体にとって大きな意味を持ちます。

この結果は、単に「梵」にとっての栄誉ではなく、日本酒という文化そのものが「国境を越えて通じる味」として成熟したことの証でもあります。今後、「梵」が築いたこの評価の橋を渡るように、多くの蔵が世界と対話しながら、新たな日本酒像を描いていくことになるでしょう。

【TROPHY(トロフィー)受賞酒一覧】

最優秀大吟醸・吟醸酒出羽桜 大吟醸酒出羽桜酒造山形県
最優秀純米大吟醸酒五橋 純米大吟醸50%酒井酒造山口県
最優秀純米吟醸酒會津宮泉 純米吟醸宮泉銘醸福島県
最優秀純米酒梵・純米55加藤吉平商店福井県
最優秀熟成酒梵・天使のめざめ加藤吉平商店福井県
最優秀スパークリング酒梵・ささ雪加藤吉平商店福井県
最優秀プレミアム酒梵・夢は正夢加藤吉平商店福井県
おいしい日本酒が見つかる最新トレンドと飲み方ガイド


シャンパンファイトに変わるか『AWA SAKE』~ドジャースとともに闘う八海山

新潟県南魚沼市の老舗蔵「八海醸造」は、メジャーリーグ・ロサンゼルス・ドジャースのリーグ優勝を記念した限定ボトル「八海山 ドジャース リーグチャンピオン記念ボトル」を発表しました。球団公式パートナーとして契約を結ぶ同社が、優勝の節目に合わせて記念酒をリリースするのは初の試みです。すでにアメリカ国内のファンや日本の野球ファンの間で話題となり、単なる限定酒にとどまらず、『日本酒が世界の祝祭に登場する瞬間』として注目を集めています。

日本酒をメジャーに導く八海山

八海山は、長年にわたり「淡麗辛口」を象徴する銘柄として国内外にファンを持つ蔵です。清冽な南魚沼の水と精緻な温度管理によるキレのある味わいは、アメリカ市場でも『HAKKAISAN』ブランドとして定着し、寿司店や高級レストランなどで高い評価を得ています。

今回の記念ボトルは、そうした国際展開の延長線上にあります。ドジャースという世界的チームとのコラボレーションは、日本酒がもはや「輸出される伝統産品」ではなく、「文化を共有する象徴的存在」へと進化していることを示しています。

スポーツという喜びを共有する舞台で日本酒が祝杯の中心に登場することは、文化的にも極めて意義深いことです。長年、勝利や祝福の瞬間にはシャンパンが定番とされてきましたが、そこに日本酒が並び立つ姿は、日本文化の新たな国際的地位を象徴します。特に八海山には、シャンパンを標榜する『AWA SAKE』があり、その清らかな酒質は、スポーツの美学にもよく似合うと思われます。

近年、日本酒の海外展開は「飲まれる」から「語られる」段階へと変化しています。八海山のような蔵が、スポーツや文化イベントと連動する動きを見せるのは、単なる販売促進ではなく、「体験価値」を生み出す戦略といえます。

ドジャースとの提携によって、八海山は国際的なブランドとしての存在感を強化しつつあります。これは他の酒蔵にとっても大きな刺激となるでしょう。音楽・映画・アートなど、異業種とのコラボレーションによる文化発信が今後さらに広がれば、日本酒が『文化資産』として世界の舞台に定着する可能性が高まります。

ワールドチャンピオンの瞬間には『AWA SAKE ファイト』を

今回のリーグ優勝記念ボトルの発売は、八海山が次のステージを見据えていることを示しています。現時点でこれほど話題性のある限定品を打ち出してきたことからも、もしドジャースがワールドチャンピオンに輝いた暁には、さらなる特別企画が待っているのではないかと期待されます。

そして、その瞬間には、シャンパンファイトならぬ「八海山 AWA SAKE ファイト」を見たい——そう願うファンも少なくないでしょう。八海山のスパークリング日本酒「あわ 八海山(AWA SAKE)」は、細やかな泡と上品な香りで、まさに祝杯にふさわしい一本です。もしその AWA SAKE がロッカールームで勢いよく開栓され、勝利の喜びを共有する姿が見られたなら、それは日本酒文化が世界に完全に受け入れられた瞬間になるはずです。


日本酒が国境を越え、祝祭の象徴となる未来。その先頭を走るのが八海山であり、今回のドジャース優勝記念ボトルはその道を切り拓く第一歩です。次なる舞台は、ワールドシリーズの頂点。もし再び八海山が勝利の瞬間を彩ることになれば、日本酒の新たな歴史が、世界の歓声とともに刻まれることになるかもしれません。

▶ 「美味しいお酒」が「SAKE」に! 大谷翔平選手MVPインタビュー通訳が生んだ日本酒への熱視線

▶ 日本酒をメジャーに導く、ドジャース公式日本酒「特別本醸造 八海山 ブルーボトル」

おいしい日本酒が見つかる最新トレンドと飲み方ガイド


「美味しいお酒」が「SAKE」に! 大谷翔平選手MVPインタビュー通訳が生んだ日本酒への熱視線

ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が、ナ・リーグ優勝決定シリーズの最優秀選手(MVP)に輝いた後のインタビューで、通訳のウィル・アイアトン氏が発した「SAKE」という言葉が大きな話題を呼んでいます。大谷選手が「今日は美味しいお酒を飲んでください」とファンへ向けたメッセージを、アイアトン通訳は「SAKE」と直訳に近い形で伝達。この瞬間に、球場は一層の歓声に包まれました。この粋な計らいは、単なる通訳を超えた文化の発信として、世界中の人々に「SAKE(日本酒)」という言葉を印象づけました。

ドジャースと八海醸造のタッグが追い風に

この「SAKE」の背景には、ドジャースと八海醸造(新潟県南魚沼市)が結んでいる契約があります。八海醸造は、今年からドジャースとパートナーシップ契約を締結し、ドジャースタジアム内で日本酒を提供するなど、積極的なブランド展開を行っています。

大谷選手という世界的スターのメッセージと、それに乗じたアイアトン通訳の「SAKE」という言葉が、この八海醸造の取り組みと相まって、日本酒の存在感を飛躍的に高めました。これは、日米のトップスポーツチームと老舗酒蔵という異業種間の連携が、文化交流という形で実を結んだ好例と言えるでしょう。

日本酒業界への計り知れない影響

今回の出来事が日本酒業界に与える影響は、非常に大きいと考察されます。

【国際的な認知度の向上】

「SAKE」というシンプルな単語が、MVPという輝かしい舞台で、大谷選手という影響力を持つ人物を通じて発信されたことで、英語圏における日本酒の認知度が格段に向上しました。これにより、「SAKE=美味しいお酒」というイメージが、これまで日本酒に馴染みのなかった層にも広く浸透することが期待されます。

【消費拡大への期待】

特にアメリカでは、若者を中心に健康志向が高まっており、日本酒が持つ「グルテンフリー」や「天然の醸造酒」といった特性が、新たな消費層を開拓する強力なフックとなり得ます。ドジャースタジアムという「ハレの場」での提供実績が相まって、アメリカ国内での日本酒の販売拡大に直結する可能性を秘めています。

【プレミアム化とブランド価値の向上】

八海醸造のような、すでに国際的に評価の高い酒蔵だけでなく、他の日本酒ブランドにとっても、今回の出来事はブランド価値向上のチャンスです。スポーツと結びつくことで、日本酒が「洗練された」「セレブが楽しむ」といったポジティブなイメージをまとい、プレミアムなアルコール飲料としての地位を確立する大きな一歩となるでしょう。

ワールドシリーズ制覇で熱狂は最高潮へ

さらに、ドジャースがこの勢いでワールドシリーズを制覇すれば、日本酒への注目度は最高潮に達するでしょう。大谷選手が再びMVPなどの栄誉に輝く場面や、優勝後の祝賀ムードの中で、日本酒がメディアに露出する機会が増えることは間違いありません。

「世界一のチーム」と「公式SAKEパートナー」という強固な結びつきは、日本酒を「勝利の美酒」として世界に印象づけます。この「勝利」というイメージは、日本酒のブランド力をさらに高め、特にアメリカをはじめとする海外輸出に決定的な追い風となります。日本酒業界は、この歴史的な瞬間を、グローバル市場での飛躍につなげる絶好の機会と捉えるべきでしょう。


大谷選手の偉業と、通訳の機知に富んだ「SAKE」という一言は、八海醸造とのパートナーシップを基盤に、日本酒を世界的なアルコール飲料へと押し上げる起爆剤となりそうです。そして、ワールドシリーズ制覇という快挙が実現すれば、その熱狂は一過性のものでは終わらず、日本酒を「クールな日本文化」の象徴として世界に定着させるでしょう。この波を最大限に活かし、日本酒業界全体がグローバルな展開を加速させることが、今後ますます重要になってくるはずです。「美味しいお酒=SAKE」が世界の共通語となる日も、そう遠くないかもしれません。

▶ 日本酒をメジャーに導く、ドジャース公式日本酒「特別本醸造 八海山 ブルーボトル」

おいしい日本酒が見つかる最新トレンドと飲み方ガイド

インドネシア商社が高知を訪問~甘口日本酒で新市場開拓の兆し

インドネシアの食品輸入商社「リブラフードサービス社」が、10月7日から9日にかけて高知県内の酒蔵を訪問しました。訪問の目的は、日本酒の輸出に向けた具体的な協議や商品選定で、今後の東南アジア市場における日本酒展開を見据えた動きとみられます。

富裕層を中心に広がる「甘口日本酒」人気

近年、インドネシアでは日本酒への関心が高まり、富裕層や都市部のレストランを中心に“ちょっとした日本酒ブーム”が起きています。人口2億7000万人を誇る同国は、イスラム教徒が多数を占めるため、飲酒が文化的に制限されている一方で、非イスラム層や外国人駐在員などを含めると約5000万人規模の飲酒市場が存在するとされています。これは東南アジアの中でも非常に大きな潜在需要といえます。

その中で特徴的なのが、インドネシアの食文化に合った“甘口嗜好”です。現地では甘味の強い料理が多く、これに寄り添う形で、やや甘口の日本酒が好まれる傾向にあります。これまで辛口で知られてきた日本酒の中でも、フルーティーで柔らかい甘みを持つタイプが人気を集めています。

「CEL-24酵母」がもたらした新しい味わい

高知県の日本酒といえば、長らく「土佐鶴」や「司牡丹」に代表されるようなキリッとした辛口が主流でした。しかし、2013年に高知県工業技術センターが開発した酵母「CEL-24」の登場により、状況は一変しました。この酵母を使うことで、リンゴや南国フルーツを思わせる華やかな香りと、独特のフルーティーな甘みを持つ酒が誕生し、全国的に注目を浴びています。今回、リブラフードサービス社が高知を訪問した背景にも、この「CEL-24」系統の酒がインドネシア市場で受け入れられる可能性を見据えた狙いがあるとみられます。

課題と可能性

一方で、輸出には課題もあります。日本酒は温度管理が品質を大きく左右する繊細な酒です。インドネシアのような高温多湿な気候では、輸送中や保管中の品質維持が難しく、現地の物流体制や保冷輸送の確立が重要になります。また、インドネシア国内でのアルコール販売に関する規制も複雑で、宗教的配慮を踏まえた販売戦略が求められます。現在、流通している日本酒は高価格帯のものが中心で、一般市場にはまだ十分に浸透していません。

それでも、今回のように現地商社が日本の酒蔵を直接訪問するケースが増えていることは、海外市場の広がりを象徴する動きといえます。特に東南アジアでは、日本食レストランの増加に伴い、日本酒を「料理と楽しむ文化」として紹介する動きが活発化しています。甘口の酒が人気という傾向は、高知の新しい酒質との親和性が高く、今後、同県がインドネシア市場で存在感を高める可能性もあります。

日本酒業界にとって、インドネシアは決して容易な市場ではありません。しかし、5000万人という飲酒可能人口を抱える巨大な潜在市場であり、品質管理や現地の嗜好に合わせた酒づくりが進めば、新たな成長の柱となることも期待されます。今回の商談は、そうした未来に向けた第一歩として、大きな意味を持っているといえるでしょう。

おいしい日本酒が見つかる最新トレンドと飲み方ガイド

ミラノ酒チャレンジ2025、マニフィカ賞を発表~国際舞台で光る日本酒の存在感

イタリア・ミラノで開催された国際日本酒コンペティション「ミラノ酒チャレンジ2025」の最高賞にあたる「マニフィカ賞」が、2025年9月28日に発表されました。マニフィカ賞は、各部門のプラチナ賞受賞酒の中からさらに突出した1本にのみ与えられる特別な称号であり、日本酒の国際的評価を象徴するものとして注目を集めています。

最高賞「マニフィカ賞」とは

ミラノ酒チャレンジは2019年に始まり、ヨーロッパにおける最大規模の日本酒審査会として急速に存在感を高めてきました。その特徴は、単に酒質を競うだけでなく、「テイスティング」「フードペアリング」「デザイン」という三つの視点から総合的に評価を行う点にあります。これにより、世界市場で選ばれるために必要な味わいの普遍性、料理との親和性、そして商品としての魅力が同時に審査されます。

その中でマニフィカ賞は、プラチナ賞の中からさらに「その年を代表する酒」として選ばれる特別賞です。まさに“唯一無二の一本”として認められるこの賞は、世界における日本酒の評価軸を示す存在として年々注目を増しています。

2025年のマニフィカ賞受賞結果

本醸造部門愛宕の松 宮城県限定本醸造株式会社新澤醸造店
スパークリング部門水芭蕉 雪ほたか永井酒造株式会社
にごり部門博多練酒株式会社若竹屋酒造場
特殊製造部門一ノ蔵 Madena株式会社一ノ蔵
吟醸部門金鯱山田錦​盛田金しゃち酒造株式会社
純米吟醸部門SETOICHI 手の鳴る方へ株式会社瀬戸酒造店
純米部門超特撰白雪江戸元禄の酒小西酒造株式会社
普通酒部門白雪樽酒カップ小西酒造株式会社
純米大吟醸部門楯野川 純米大吟醸 十八楯の川酒造株式会社
大吟醸部門夜明け前 大吟醸株式会社小野酒造店
古酒部門夢乃寒梅 古酒 2000年鶴見酒造株式会社

今年は、宮城県の新澤醸造店「愛宕の松 宮城県限定本醸造」や、長野県の小野酒造店「夜明け前 大吟醸」などがマニフィカ賞に選ばれました。いずれも国内で確固たる評価を得てきた銘柄ですが、国際舞台での審査員からも高く支持され、料理との相性やデザイン面においても総合的に優れていると認められました。

特に「愛宕の松」は、本醸造というカテゴリーでありながら、飲みやすさと奥行きを兼ね備えた味わいが高評価となりました。「夜明け前」は大吟醸らしい華やかさと品格を備え、イタリア料理との相性でも群を抜いた結果を示しました。これらの結果は、カテゴリーの違いを超えて、日本酒の多様な魅力が国際的に認知されていることを物語っています。

日本酒業界への影響

ミラノ酒チャレンジは、審査結果をヨーロッパ市場に広く発信しており、受賞酒は現地での販路拡大やレストランでの採用につながるケースが増えています。特にワイン文化が根付いたイタリアにおいて、日本酒が「食と合わせて楽しむ酒」として浸透するきっかけとなっており、輸出の拡大に直結する重要な場となっています。

また、デザイン審査の存在は、海外消費者の感覚に合う商品開発を促す契機となっています。伝統を重んじつつも国際市場を意識した新しいラベルやボトルが登場することで、日本酒のイメージ刷新にもつながっています。

さらに、フードペアリング部門ではパルミジャーノ・レッジャーノやサンダニエーレ生ハムといったイタリアの食材との相性が審査されるなど、現地の食文化との接点が意識されている点も特徴です。これにより、日本酒が和食専用にとどまらず、多様な料理に合わせられる酒として認知されつつあります。


2025年のマニフィカ賞は、日本酒が世界の舞台で改めて評価され、その可能性が広がっていることを示す象徴的な出来事となりました。受賞した蔵元にとっては名誉であると同時に、海外市場に踏み出す強力な追い風となるでしょう。

ミラノ酒チャレンジが持つ「国際基準で日本酒を評価する」という仕組みは、今後ますます業界に影響を与え、日本酒の国際化を後押ししていくと考えられます。今年選ばれたマニフィカ賞の酒が、どのように世界の食卓へ広がっていくのか、今後の展開が注目されます。

おいしい日本酒が見つかる最新トレンドと飲み方ガイド


【Kura Master 2025】「雁木 純米大吟醸 鶺鴒」がプレジデント賞受賞|国際舞台で示した日本酒の新たな可能性

2025年9月24日、在フランス日本国大使公邸にて開催された Kura Master 2025 の授賞式で、日本酒部門の最高賞「プレジデント賞」が発表されました。その栄冠に輝いたのは、山口県・八百新酒造が醸す 「雁木 純米大吟醸 鶺鴒」 でした。

Kura Master とは

Kura Master は、フランス人を中心としたソムリエやワイン関係者、料理・飲食関係者らが審査員を務め、日本酒と料理とのマリアージュ性を重視する観点で選定を行う国際的な日本酒コンクールです。各部門のプラチナ賞から選出される審査員賞を経て、その中から1本に与えられる最高の栄誉がプレジデント賞であり、単なる酒質評価を超えて、国際舞台で「最も強く訴求力をもつ酒」としての総合的評価が問われます。

プレジデント賞受賞酒の評価

今回、「雁木 純米大吟醸 鶺鴒」が選ばれたことには、いくつかの象徴的意味合いを読み取ることができます。

まず、審査委員長グザビエ・チュイザ氏は、この酒の「輝きや光沢、鼻や口に広がる煌めき」「力強いエネルギー」に深い感動があったとコメントしました。さらに「爽やかさ」「飲みやすさ」「喉を潤すような味わい」を高く評価し、魚介類・海産物、また、地中海料理やセビーチェなど国際料理との相性も強調しています。これらの言葉から読み取れるのは、海外の食文化や国際的なテーブルにおいても自然に受け入れられる「調和力と存在感」を備えている酒という評価です。

特に印象的なのは、「喉を潤すような心地よさ」「爽やかな風味」が繰り返し言及されている点です。これは、香りや複雑性を追求するあまり“構えすぎず”、飲み手にストレスなく入ってくる飲み口を重視した造りであることを示唆します。国際舞台での審査で高評価を得る酒には、華やかさだけでなく、飲み継ぎやすさ・汎用性が必須要素となるため、このバランス感覚を兼ね備えた点こそが、最高賞に選ばれた大きな理由の一つでしょう。

また、Kura Master は「フードペアリング」を重要視するコンクールであり、この酒が料理と共鳴する力を持つことが最終的な選考ポイントとなります。「雁木」というブランドには船着場の意味があり、人と料理の橋渡し役であるかのような響きがあります。「おしえ鳥」とも呼ばれる「鶺鴒」の銘は、まさにこれを示唆するものです。

そして、この受賞は、八百新酒造という蔵の長年の酒造技術・個性への鍛錬が、国際舞台で認知されたという成果でもあります。「雁木」は、日本国内ではすでにかなりの知名度を誇る日本酒となっていますが、それが、世界の食文化と接点を持つ場で選ばれるということは、日本酒界のグローバル化を象徴する出来事であるとも言えます。

今回の授賞式は、在仏日本大使公邸という格式高い場で行われ、名だたるソムリエや料理関係者ら約100名が集う中で、受賞酒の表彰とともにそのストーリー性や表現性も語られました。その意味で、単なる品質の勝利を超えて、日本酒という文化の「世界への伝達力」を試す場において、雁木は最も強いメッセージを持つ酒として選ばれたといえるでしょう。


最後に、このプレジデント賞受賞が、山口県・八百新酒造、そして「雁木」ブランドにとって国際的な飛躍の契機となることは間違いありません。日本酒愛好家のみならず、海外の料理界・飲食界にも「雁木」という名が記憶され、やがては世界の食卓にその名を刻む存在になっていく可能性を感じさせる受賞です。

▶ 雁木 純米大吟醸 鶺鴒|Kura Master 2025 でプレジデント賞(全体1位)を獲得した日本酒

おいしい日本酒が見つかる最新トレンドと飲み方ガイド