【トレンド】伝統をアップデートする「ネオお屠蘇」とは?

2026年1月6日、東京・西新橋の「日本の酒情報館」にて、古くから伝わる「お屠蘇」の概念を現代的に解釈した『ネオお屠蘇』の提供が今年も始まりました。健康志向や多様化する日本酒の楽しみ方を背景に、若い世代や海外観光客からも熱い視線が注がれています。

そもそも「お屠蘇」とは何か

お屠蘇は、一年の無病息災を願って正月に飲まれる薬酒です。唐の時代の中国から伝わったとされ、日本では平安時代の貴族の行事として定着しました。山椒、肉桂、陳皮といった数種類の生薬を調合した「屠蘇散」を、日本酒やみりんに一晩浸して作ります。

しかし、近年ではライフスタイルの変化により、家庭で本格的なお屠蘇を用意する機会が減少していました。「生薬の独特な風味が苦手」「アルコール度数が高すぎる」といった声もあり、伝統行事としての存続が課題となっていました。

「ネオお屠蘇」の正体

今回注目を集めている「ネオお屠蘇」は、単なる伝統の再現ではなく、現代の嗜好に合わせた「自由なペアリングとアレンジ」を特徴として、2010年代後半から「アレンジお屠蘇」のような形で広がり、2023年に「ネオお屠蘇」として、「日本の酒情報館」から登場しました。主に以下の3つのスタイルが提案されています。

  • 【ボタニカル・サケとの融合 】これまでの屠蘇散を浸す方法ではなく、製造工程でハーブやスパイスを直接投入した「クラフトサケ」をベースに使用します。従来の薬臭さを抑え、ジンのような華やかな香りと、日本酒本来の旨味を両立させた「新しい味わい」が特徴です。
  • 【低アルコール&スパークリング仕立て】「朝からお酒を飲むのは抵抗がある」という層に向けて、5~7%程度の低アルコール日本酒や、微発泡のスパークリング日本酒をベースにしたレシピが登場しています。これにより、お屠蘇のイメージが「重々しい儀式」から「新年の爽やかな乾杯」へと進化しました。
  • 【追いスパイスによるパーソナライズ】 飲む直前にカルダモンやクローブ、あるいは柚子のピール(皮)を添えるなど、自分好みの香りにカスタマイズするスタイルです。これは近年のクラフトコーラやスパイスカレーの流行とも呼応しており、20代から30代の層に「自分だけの一杯」として受け入れられています。

今後の展望

この「ネオお屠蘇」の動きは、単なる一過性の流行に留まらず、日本酒の「シーズン(季節性)」を強調するプロモーションとして期待されています。かつての「お屠蘇」が家族の健康を願うものであったように、現代の「ネオお屠蘇」もまた、自分の体調や好みに向き合う「セルフケア」の一環として定着していくかもしれません。

館長によれば、「伝統は形を変えながら受け継がれるもの。ネオお屠蘇をきっかけに、日本酒の持つ文化的な深みと、多様な楽しみ方を知ってほしい」とのことです。

伝統と革新が交差する2026年。新しい年の幕開けに、自分に合った「ネオお屠蘇」で、一年の健康を願ってみるのもいいかもしれません。

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